肉厚な葉が旋回するように茂る、個性的な見た目のサンスベリア・サムライドワーフ。観葉植物としても、育成が簡単なので人気を集めています。
別名をミニサムライとも言い、肉厚な葉が円形に展開しながら茂るのが特徴です。葉に水分を多く蓄えられるため、乾燥に強い特徴があります。
このページでは、サンスベリア・サムライドワーフの育て方を解説。学名や花言葉、サンスベリア・サムライドワーフにとってちょうどよい温度などにも触れていきます。
サンスベリア・サムライドワーフは、キジカクシ科サンスベリア属に分類される観葉植物です。学名は「Sansevieria ehrenbergii samurai dwalf」といいます。
サンスベリア・サムライドワーフを含むサンスベリアは「エコ・プラント」としても有名です。「エコ・プラント」とは、観葉植物の中でも空気をきれいに浄化するパワーがあると認められている品種のこと。
サンスベリアには空気中に漂う有害な物質を吸着、分解したり、マイナスイオンを放出したりする空気清浄化能力があるといわれており、NASAの認定も受けています。
サンスベリアの花言葉は、和名の「千歳蘭」にちなみ「永久」や「不滅」、「幸福」「開運」です。「長続きするように」という思いを込めて、開店を祝して贈呈されることも。引っ越し祝いの植物としても、しばしば贈られます。
サンスベリア・サムライドワーフの栽培をはじめるに当たり、まずは立派に育ったサンスベリア・サムライドワーフの鉢植えを購入しましょう。
サンスベリア・サムライドワーフの鉢植えを購入する際は、葉が傷ついていたり病気にかかっていたり、害虫が寄生していたりしないかを必ずチェックしてください。
とくにサンスベリア・サムライドワーフに寄生しやすいハダニ、アブラムシ、カイガラムシに要注意。これらの害虫は葉に寄生し養分を吸汁するため、サンスベリア・サムライドワーフが弱ってしまうおそれがあるからです。

サンスベリア・サムライドワーフは日光を好むため、サンスベリア・サムライドワーフの鉢植えは、なるべく日当たりのよい場所に置きましょう。
しかし、サンスベリア・サムライドワーフは、直射日光は苦手。特に夏場の西日の直射日光はサンスベリア・サムライドワーフにとって刺激が強すぎ、葉焼けを起こすことがあるからです。
たとえば日差しがよく入る室内においては、レースのカーテンなどで適度に遮光し、直射日光の影響を受けないように配慮しましょう。
サンスベリア・サムライドワーフは、暑さには強いですが寒さには弱く、気温が10℃以下になると成長が鈍化していきます。
もしもサンスベリア・サムライドワーフの鉢植えを庭や玄関先、ベランダに置く場合は、外気温が15℃以下になったら屋内に移すようにしましょう。
ちなみに、上述のとおりサンスベリア・サムライドワーフは暑さに強い観葉植物ですが、40℃を超えるような酷暑においては、直射日光に当たったときと同じく葉焼けを起こすおそれがあります。
とくに猛暑が続く夏季は、気温に合わせて日陰に移したり、遮光ネットや寒冷紗を使ったりして、葉焼け対策につとめましょう。
おすすめの遮光ネット・寒冷紗
サンスベリア・サムライドワーフは、気温が10℃以下になると成長が鈍化するといわれているため、季節や気温に合わせて水やりの回数を調節しなければなりません。
たとえば気温10℃以上の日が続く春〜秋にかけては、鉢植えの土の状態をチェックし、表面が乾いていたら水やりをするようにします。
いっぽう気温10℃以下の日が続く冬においては、鉢植えの土がすっかり乾いていたら水を与える程度でOK。あえてサンスベリア・サムライドワーフを断水して乾燥させることで、樹液の濃度が高まり、耐寒性が強化されるといわれているからです。
ちなみにサンスベリア・サムライドワーフをうまく育てるには、適度に「葉水」をするのもポイントになります。葉水とは、観葉植物の葉に霧吹きで水をかけることで、害虫が寄生するのを防ぐ効果が期待できます。
サンスベリア・サムライドワーフにとくに悪影響を及ぼすハダニ、アブラムシ、カイガラムシが寄生しないように、水やりだけでなく1日に1回を目安に葉水を行うようにしましょう。
サンスベリア・サムライドワーフを育てるのには、水はけのよい土が適しています。市販の観葉植物用の土と赤玉土、鹿沼土を2:1:1の割合で混ぜ合わせた土か、排水性を重視して赤玉、軽石を1:1で混ぜた用土を使用します。
おすすめの土
サンスベリア・サムライドワーフには、とくに肥料を与えなくても大丈夫ですが、肥料を与えたほうが成長スピードが早まるといわれています。
春〜秋にかけて、適切な濃度に希釈した液体肥料もしくは、緩効性の置き肥を施しましょう。リン成分の控え目なものがよいです。ちなみに有機肥料ではなく、化成肥料を使ったほうがコバエが発生しにくいといわれています。なぜなら、有機肥料はコバエにとって恰好のエサになるからです。
おすすめの肥料
サンスベリア・サムライドワーフは、本格的に剪定をする必要はありません。しかし古くなった葉は、ある程度乾いてからハサミなどを使って切除してしまいましょう。なお、サンスベリア・サムライドワーフの剪定は春〜秋にかけて行うのが理想です。
サンスベリア・サムライドワーフは放っておくと鉢いっぱいに根が伸び、根詰まりを起こしてしまうため、1〜2年に1回を目安に植え替えを行うのがおすすめ。
今より一回り大きい鉢と鉢底石を用意し、上述のとおり水はけのよい土に植え替えましょう。なお、植え替えに適しているのは5〜6月だといわれています。
サンスベリア・サムライドワーフは丈夫なので、とくに気をつけるべき病気はありませんが、ハダニやアブラムシ、カイガラムシがつきやすいので注意してください。
ハダニは0.5mmくらいのとても小さな虫で、葉の裏に寄生して養分を吸汁する厄介者。ハダニに吸汁されたところには白い斑点が広がり、老廃物によってカビか発生して枯死してしまうことがあります。
アブラムシもハダニと同じく葉の裏に寄生して養分を吸汁しますが、ハダニ同様、老廃物にカビが発生したり吸汁した部分からウイルスが侵入することがあるため、とくに注意が必要です。ウイルスに感染しなくても、吸汁されたことによって元気がなくなり、枯れてしまうおそれもあります。
カイガラムシは1mm~3mmくらいの小さな虫で、白っぽいホコリのような見た目であったり、半透明な丸い付着物のような形状をしています。カイガラムシもハダニ、アブラムシと同じく葉の裏に寄生して養分を吸汁し、サンスベリア・サムライドワーフを弱らせる困りものです。
これらの害虫には薬剤が効かないケースがあるため、見つけ次第、すぐに竹串などを使って植物を傷つけないよう注意しながら取り除いて駆除してください。また、先ほど紹介したとおりこまめに葉水をし、寄生するのを未然に防ぐことも大切です。
サンスベリア・サムライドワーフは暑さに強く、剪定の手間もかからず、病気にもかかりにくいため初心者にとっても育てやすい観葉植物といえます。このページを参考に、ぜひサンスベリア・サムライドワーフ栽培にチャレンジしてみてくださいね。
岩瀬さん
とはいえ、室内の暖房の影響で乾き過ぎることがありますので注意が必要です。