びわはどんな植物?

びわは、中国の南西部原産の、バラ科ビワ属の常緑高木です。日本では、四国や九州など暖かい地域に自生しています。甘い果実が特徴で、九州、四国の他、千葉県や静岡県、和歌山などでも栽培されています。

葉は濃い緑色の楕円形で、表面につやがあり、裏には産毛が生えています。初夏になると、一口大の黄橙色をした甘い実をつけます。収穫した実はそのまま食べるほか、ジャムやコンポートにします。なお、楽器の「琵琶」の名前は、びわの実の形から取られたとされています。

びわ栽培の始め方

びわ栽培の始め方

びわは「鉢植え」と「地植え」どちらでも育てられる

びわは地面に植えると5~10メートルのかなり大きな木に成長します。広い庭のある家庭では、地植えにチャレンジしてみてもよいでしょう。

狭い場所でコンパクトに育てたい場合は、鉢植えにしましょう。鉢植えで育てることで木の大きさを調整しつつ、実も収穫できます。

種から育てると実がなるまで10年かかることも

びわの種まきの時期は5~6月です。「食べ終わったびわの種を植えたら芽が出た」なんてお話もありますが、実際のところ、種から育てた場合は実を収穫できるようになるまで8~10年かかります。

気長にじっくり育てたい人以外は、苗木から育てることをおすすめします。2月を過ぎたら、ホームセンターなどで苗木が入荷していないかチェックしてみましょう。

苗木から育てるなら植え付けは2月~4月頃

びわの苗木の植え付け時期は2~4月です。鉢植えで育てる場合は、びわの木を大きくし過ぎないよう、7~8号程度の鉢に苗木を植えるとよいでしょう。

地植えの場合は、日当たりと水はけのよい場所に植えましょう。50センチ四方の穴を掘り、穴に苗木を置いて、掘った土に腐葉土を混ぜて隙間を埋めます。地植え・鉢植え共に、植えた後はたっぷりと水をあげましょう。

びわの育て方

びわの育て方

びわを育てる場所(日当たり)

びわは太陽の光をよく好みます。庭やベランダで育てる際は、できるだけ太陽の光がよく当たる場所で育てましょう。日陰で育てると害虫がつきやすく、実が甘くなくなるので注意が必要です。

びわは耐寒性が低く、気温が氷点下3度以下になると胚珠が死滅して実が収穫できなくなります。地植えでの栽培は千葉県より西の地域か、寒い地域で育てる場合は鉢植えにし、冬は部屋に入れてあげましょう。

びわの水やり

びわは乾燥に強い植物のため、地植えの場合は基本的に水やりの必要はありません。日照りが続いて土がひび割れるようなときのみ、水を与えましょう。

鉢植えの場合は、土の表面が乾いたらたっぷり水を与えます。夏場の水やりは、日中に水を与えると鉢の中で水が高温になり、根を痛める原因になるため、涼しい早朝や夕方に水をあげるようにしましょう。

反対に、冬は凍ってしまう危険性があるため、夕方以降は水をあげないようにしましょう。

びわの土と肥料

びわの土と肥料

びわを育てる土は?

びわは水はけのよい土を好みます。地植えの場合は、掘り起こした庭の土に腐葉土を2~3割混ぜましょう。

鉢植えの土を自作する場合は、赤玉土(小粒)7:腐葉土3の割合に混ぜましょう。市販の土を使う場合は、果樹用の培養土が最適です。

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びわに与える肥料

おいしいびわの実にするためには、肥料が欠かせません。びわは年3回に分けて肥料を与えます。与える時期は、2~3月、6月、9月です。

2〜3月の花が咲き終わった時期と、6月の実の収穫を終えた後は即効性の化成肥料を与えましょう。9月は有機質肥料や、牛糞鶏糞、油粕を土に混ぜてください。

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びわの剪定・植え替え

びわの剪定・植え替え

びわの剪定方法

びわの主な剪定方法として、「間引き剪定」と「切り戻し剪定」があります。間引き剪定は、密集しすぎた枝の不要な部分を根元から切り落とす方法です。風通しを良くして、病気や害虫を予防する効果があります。

切り戻し剪定は、伸びた枝を切り全体の形を整える方法です。庭やベランダで育てているびわが大きくなり過ぎた時は、切り戻してメンテナンスをしましょう。

びわの剪定時期

びわの剪定は育ち具合によって方法が変わってきます。剪定のタイミングを間違えると、実がつかなくなってしまうことがあるので注意が必要です。

びわの実がまだなっていない場合は、2月頃に剪定を行います。花が咲いている時期なので、花を切らないように気をつけましょう。3月を過ぎてから剪定を行うと、びわの生育が悪くなり実がつきにくくなるので、できるだけ避けましょう。

びわは実がなりすぎると味が落ちるため、8月下旬~9月頃になり実がつき始めたら、実の量をコントロールするための剪定も必要です。とくに鉢植えのびわの場合、コントロールしないと、食べられる大きさまで実が育たないことがあります。

びわの植え替え

植え替えの時期は2~3月です。鉢植えびわは根詰まりを起こしやすいので、2年に1度程度植え替えを行いましょう。

この時、ちぎれた根から雑菌が入り、びわが病気になってしまうことがあるので、植え替えは慎重に行いましょう。根についた土は全て取らず、手で軽くほぐす程度でOKです。

びわの収穫

びわの収穫

びわの収穫時期・方法

びわの収穫時期は6月です。皮が鮮やかなオレンジ色で、張りと産毛があり、ヘタ部分がしっかりしていることが、甘くておいしいびわの実の見分け方です。

地植えのびわは高いところになっています。高枝切りばさみと使うと、実を落とさずに収穫できます。鉢植えのびわは、一般的な剪定ばさみでヘタの付近を切り、収穫しましょう。

収穫したびわの食べ方

収穫したびわの食べ方

よく熟したびわは、そのまま皮をむいて実を食べるのがおいしい食べ方です。

冷蔵庫で長時間冷やすと風味が抜けてしまうので、日の当たらない風通しのよい場所に常温保存し、食べる2~3時間前に冷蔵庫に入れるとよいでしょう。

びわの加工食品として代表的なのは、ジャムやコンポートです。皮をむいて種を取り、砂糖などを入れて煮詰めるだけなので、家庭でも簡単にできます。よく殺菌したガラス瓶に詰めることで、ある程度の保存が可能で、旬を過ぎてもびわのおいしさを楽しめます。

びわの病気・害虫

びわは病気や害虫に強い植物ですが、比較的かかりやすい病気として「がん腫病」と「灰斑病(はいはんびょう)」があります。

がん腫病は細菌が原因の病気で、葉に斑点が現れたり、幹にこぶができます。灰斑病は、灰色の斑(はん)が葉にできる病気です。春から夏にかかることが多く、葉が落ちて木を弱らせる原因になります。

病気になってしまった部分は自然には回復しないので切り落とすしかありません。

びわにつきやすい代表的な害虫は、モモチョッキリゾウムシです。1センチほどの黒い虫で、びわの実を食べてしまいます。対策として、びわの実に袋をかけて害虫の侵入を防ぐのが効果的です。

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