宿根草(しゅくこんそう)とは、毎年花を咲かせる花木や球根植物のこと。一度植えると数年は植え替えする必要がなく、追肥や水やりもほとんど要らないため、ガーデニング初心者でも育てやすい植物です。
特に手間をかけずとも、毎年美しい花を咲かせてくれますが、植えっぱなしにしておくと株が弱ってきたり、株が増えすぎて見た目が悪くなることもあります。
そこで、ここでは宿根草の育て方について詳しく解説していきます。宿根草の種類や、宿根草に適した土や水やりの方法、花後のお手入れなどにも触れていきますので、どうぞ最後までご覧ください。
宿根草(しゅくこんそう)とは、一度植えると翌年も同じ場所、同じ季節で花を咲かせる植物です。宿根草は真夏や真冬の苦手な季節になると、地上部の葉や茎を枯らし、地下部の根に栄養を蓄えて休眠に入ります。
栽培の過程で肥料や水やりがほとんど要らないため、ガーデニング初心者でも失敗しにくいと人気の植物です。
とはいえ、枯れた花や茎をそのままにしておくと、見た目が悪くなったり、栄養を十分に蓄えられないため、花後に手入れを行う必要があります。
花が終わると、葉や茎の地上部を枯らして根だけで冬越しを行う宿根草で、シュウメイギクやスズランがこのタイプにあたります。
枯れた部分を取り除いてあげることで、翌年に新しい葉を茂らせながら花をつけます。
花が終わった後も葉や茎が枯れることなく、常緑のまま冬越しを行い、翌年そこから花をつける宿根草です。クリスマスローズやタイム、ゲラニウムなどがこのタイプです。
葉が茂っている場合は、開花の前後に剪定を行って、翌年の開花に備えます。
多年草とは、1年で枯死せず毎年花を咲かせる植物の総称です。この中に「宿根草」や「球根類」が含まれています。
球根類とは、地下部が肥大化して球状や塊状になっているもので、チューリップやユリ、クロッカスやダリアなどのいわゆる球根植物と呼ばれるものが当てはまります。
とはいえ、これらは私たち花愛好家の中でも大きな違いはないものと捉えています。宿根草=多年草と考えて大丈夫です。
宿根草は種からも栽培可能ですが、1年草に比べると発芽させるのが難しいため、購入した苗から育てるのが一般的です。
ホームセンターなどで購入する際は、根元がグラつかず、葉がコンパクトに茂っているバランスの良いものを選びましょう。
宿根草は地植え、鉢植えどちらでも育てられます。
地植えは、植え込みの2〜3週間前に、腐葉土や苦土石灰を混ぜて耕しておいた土を用います。宿根草は大きく成長するものが多いため、植え込みの際は苗同士の間隔は広めに取るようにしてください。
また、同じ花壇で異なる植物を育てる場合は、背丈の低いものを手前に配置しましょう。さらに、地を覆うように生長する1年草をグラウンドカバーとして周りに植えると、さらに見栄えが良くなります。
鉢植えは、赤玉土(小粒)7:腐葉土3の割合で混ぜた土を用います。ベランダや軒下のスペースに鉢やコンテナを組み合わせて置いたり、ハンギングバスケットを用いると、華やかで立体的なガーデニングができますよ。
宿根草の肥料は控えめで大丈夫です。地植えは、土を耕す際に腐葉土を混ぜておけば、追肥は必要ありません。鉢植えは、生育が始まる春か秋頃に、花苗用の緩効性肥料を与えます。
ゆっくりと生長する宿根草は、過度な肥料を与えると、生長スピードが早まり、かえって軟弱で短命になってしまいます。与えすぎには注意してくださいね。
水やりは、地植え苗植えともに、植え込み後は根が定着するまでたっぷり水を与えましょう。
定着後は水やりは控えめにし、土が乾いたタイミングで与えるのが良いです。過度な水やりは根腐れの原因になるため気をつけましょう。
花後そのままにしておくと、花が種をつけようと余分に栄養を消費してしまい、翌年の株に負担を与えます。また、落ちた枯れ花はカビや病気の原因になります。
花が完全に枯れる前に、花首のすぐ下の茎あたりから切り取りましょう。もしくは、長めに花茎を切って、切り花として自宅で鑑賞するのも良いですよ。
地上部で枯れた葉や茎は景観を損ねるため、花が終わったタイミングで株元からバッサリ切り落としましょう。
しっかり剪定を行うことで、翌年に、株元から新たな芽を出します。
宿根草に肥料はあまり必要ありませんが、生長や開花で株の体力は消耗しているため、花後にお礼肥をあげると、翌年に美しい花をつけます。
肥料は花苗用の緩効性肥料を与えてください。肥料の与えすぎには注意してくださいね。
このページでは、宿根草の育て方、お手入れ方法と、お庭におすすめの宿根草の種類について紹介しました。
宿根草は、少ない手間で翌年も花をつけてくれる植物です。そのため、お庭に植えたり、グランドカバーとして使ったりすると、春~夏にかけて毎年目を楽しませてくれます。
このページを参考に、ぜひ宿根草を育ててみてくださいね。