ブリティッシュショートヘアは、イギリスを代表する猫です。大きくてまるい目やむっくりした体型がかわいらしく、短毛種の中でもとくに高い人気を誇ります。
「不思議の国のアリス」に登場するキャラクター・チェシャ猫のモデルとしても知られ、世界中で愛されている猫です。
この記事では、ブリティッシュショートヘアについて紹介します。飼い方や性格、注意したい病気にも触れていきますので、ぜひ参考にしてください。
ブリティッシュショートヘアは短毛種の猫です。毛はかためで密度が高く、ビロードのような触り心地をしています。
頭は大きめで、耳と耳の間隔は広め。まるみのある顔に、くりくりと大きな目と短い鼻が愛らしい顔立ちを作ります。ペルシャの血を引いていることもあり、顔の作りに面影が感じられます。
骨太でどっしりとした体付きも、ブリティッシュショートヘアの特徴です。胸には厚みがあり、首や脚も太くしっかりとしています。先祖がネズミハンターだったこともあり、全体的に筋肉質でたくましいです。
ブリティッシュショートヘアの歴史は古く、2世紀ごろにローマ軍がネズミ対策としてイギリスに連れてきた猫が最初と言われています。
19世紀から計画的な交配や繁殖が行われ、1871年にはロンドンのキャットショーで数々の賞を獲得しました。その後1890年代にイギリス公認の猫として認められ、今では世界中で愛されています。
ブリティッシュショートヘアは中〜大型の猫です。ボディタイプはセミコビーで、骨太でがっしりとした体型をしています。
ブリティッシュショートヘアは、基本的にメスよりもオスの方が大きくなりやすいです。体長は40〜50cmほどで、一般的な猫よりも少し胴は長め。体重はオスが4.0〜8.0kgほどでメスは3.0〜5.0kgほどです。
ブリティッシュショートヘアにはさまざまな毛色がありますが、とくに人気なのがブルーです。青みがかった灰色をしていて、日光にあたると銀色に輝きます。他にも、ブラックやホワイト、クリーム、チョコレートや、ブルーとホワイトの混色などさまざまなカラーがあります。
ブリティッシュショートヘアの模様は、ソリッド(単色)、クラシックタビー(トラ柄)マッカレルタビー、キャリコ、バイカラーなどです。ダイリュートキャリコと呼ばれる三色パステルカラーの非常に希少な模様の子もいます。
また、顔に八の字を書くように2色に分かれている「ハチワレ」や、足先だけが白くまるで靴下をはいているように見える「くつした」など、かわいい模様も豊富です。
ブリティッシュショートヘアの寿命は14〜20歳ほどです。猫の平均寿命は15歳ほどですので、他の猫と比べて長生きといえます。
ただこれはあくまで平均値であり、寿命は猫によって変わります。お迎えした子を大切に扱い、長生きできるように育てましょう。
ブリティッシュショートヘアは落ち着きがあり、とても穏やかな性格をしています。また賢く環境に順応しやすいので、人ともきちんとコミュニケーションがとれますし、他のペットとも仲良くしやすいでしょう。
スキンシップはあまり好みません。ただ甘えん坊な一面があるため、気まぐれに飼い主さんのそばにきて甘えます。心を許した相手には愛情深く接しますが、見知らぬ人には素気ない態度をとります。
運動能力が高く、遊ぶときは元気に動き回りますが、どちらかといえば静かに過ごす方が好きなようです。よく鳴くタイプではないので、マンションなどで飼いたい人にもおすすめです。
ブリティッシュショートヘアのお迎え方法は、主にペットショップ、ブリーダー、保護猫などです。
かかる費用は猫によってさまざまですが、ペットショップで迎える場合は10〜40万円ほどかかります。希少な模様や人気な色ほど高く、また血統書の有無でも変わります。
ブリティッシュショートヘアは1日に10分以上は思い切り運動させましょう。運動量が少ないと肥満になる恐れがあるので、毎日コンスタントに遊ぶことが大切です。
のんびり過ごすことが多い猫ですが、運動能力は高いため動くときは活発に動きます。おもちゃを使って、思い切り体を動かしましょう。祖先はネズミハンターとして農場で活躍していたので、ネズミを模したおもちゃを気に入るかもしれません。
また、高いところに上ることも好きです。猫タワーを設置して、立体的な上下運動をさせるとよいでしょう。棚や板をうまく組み合わせて、キャットウォークを作るのもおすすめです。
ブリティッシュショートヘアは体の大きい猫ですので、ケージも大きいサイズを用意しましょう。できるだけ自由に動けるよう、広々とした3段ケージがおすすめです。
また、ブリティッシュショートヘアは重さもあるため、耐荷重にも気をつけましょう。猫が乗るステップは、耐荷重20kgほどあればよいでしょう。
おすすめのケージ
ブリティッシュショートヘアは短毛種で毛もかたいため、毎日のブラッシングは必要ありません。週に2〜3回ほどの頻度でブラッシングしてあげましょう。
毛が生え変わる換毛期の3月〜5月ごろと9月〜10月ごろは、念入りにブラッシングしてあげます。毎日でもかまいませんし、抜け毛が多いようなら日に2回行うこともあります。
ブリティッシュショートヘアのシャンプーは、数ヶ月に1回ほどの頻度で十分です。あまり洗いすぎてしまうと、猫にとってよくありません。
換毛期の3月〜5月ごろと9月〜10月ごろは、最低でも一度はシャンプーをしてあげましょう。この時期にシャンプーでよく洗うことで、しっかりと抜け毛を取り除けます。
ブリティッシュショートヘアには、高タンパクかつ高脂質なフードを与えましょう。
ブリティッシュショートヘアは筋肉質なため、筋肉量を維持させて太りにくい体づくりをします。成猫になるまで3年〜5年ほどかかると言われていますので、この期間は高タンパクを心がけましょう。タンパク質が35%以上含まれているフードがおすすめです。
また、ブリティッシュショートヘアは太りやすい猫です。そのため、炭水化物よりも脂質が多いフードを選びましょう。猫は脂質の方がエネルギーに変えやすく、高脂質フードは肥満防止になります。とくに穀物は炭水化物と糖分が豊富なので、穀物を含まないグレインフリーフードを選びましょう。
さらに、食物繊維が豊富なフードもおすすめです。食物繊維は、毛づくろい中に飲み込んだ毛を排出しやすくしてくれます。
どんなフードでも、食べすぎには気をつけましょう。不用意に人間の食べ物を与えることも避けます。
ブリティッシュショートヘアは、年齢によって食事の量と回数を調節しましょう。
生後2ヶ月〜1年ごろまでは、1日3〜4回にわけて食事を与えます。子猫のときに骨格や筋肉などが作られるため、十分な栄養を与えましょう。高タンパクかつ高脂質の子猫用キャットフードがおすすめです。
1歳をすぎたころから成猫用のフードに切り替えます。キャットフードに記載された分量を、1日2〜3回にわけて与えましょう。ブリティッシュショートヘアは肥満になりやすいため、与えすぎには注意してくださいね。
7〜10歳ごろになったら、老猫用のフードに切り替えましょう。1日3〜4回にわけて、柔らかく消化しやすいフードを与えます。年を取ると食欲が落ちてくることも多いため、猫の様子を見ながらフードの量を調節してください。
上記の食事量や回数はひとつの目安です。体重や健康状態など、ブリティッシュショートヘアの様子を見ながら適量を与えることが大切です。
おすすめのキャットフード
ブリティッシュショートヘアは肥満になりやすいため、太りすぎが原因で糖尿病を発症する恐れがあります。
水を過度に飲んで尿を頻繁に出していたり、しっかり食べているのに体重が減ったりしたら要注意です。重症化すると、白内障や臓器疾患などの合併症を引き起こすこともあり得ます。
水を飲む様子やトイレの様子、体重の増減などをこまめにチェックし、異変を感じたらすぐに動物病院を受診しましょう。また、肥満にならないよう毎日適度な運動をすることも大切です。
ブリティッシュショートヘアは、遺伝的に肥大型心筋症になりやすいです。肥大型心筋症とは、心臓の筋肉が肥大化し、十分な血液を送り出せなくなる病気のこと。
この病気は予防ができないため、早期発見がとても大切です。定期的に動物病院を受診し、異変を見逃さないようにしましょう。
ずんぐりとした体型に、ペルシャの面影を感じる顔立ちがとにかくかわいいブリティッシュショートヘア。イギリス最古の猫として、古くから多くの人に愛されてきました。
穏やかで優しい性格なので、すぐに打ち解けられるはずですよ。心を許した相手には甘えてくるかわいい一面も持っています。ブリティッシュショートヘアをお迎えしたら、ぜひ愛情をたっぷり注いであげてくださいね。