厚生労働省によると、毎年約20〜30人強の労働者が脚立やはしご、作業台からの墜落・転落により亡くなっており、脚立が原因で4日以上の休業となった事故のうち、約3分の2は骨折している、というデータがあります。
「脚立なんて、ただステップを登るだけでしょ。使い方は誰でもわかる」と思った人は、いつか大怪我をしてしまうかもしれません。
脚立のトップメーカー・長谷川工業株式会社の杉原瞳さんに、脚立の安全性や正しい使い方を聞いてきました。
長谷川工業株式会社 営業本部 東京支店 HC特販課 課長 杉原瞳さん
──脚立からの転落事故が多いと聞いたのですが、脚立って実は危険なんですか…?
杉原さん:確かに、厚生労働省の「労働災害統計」によると、毎年約20〜30人が脚立やはしご、作業台などからの墜落・転落により亡くなっています。
杉原さん:また、脚立が原因で4日以上の休業となった事故のうち、約3分の2は骨折しているというデータもあるんです。
──脚立は職場や自宅で日常的に使うので、そんなに事故が多いとは驚きです。
杉原さん:低い脚立でも、意外と油断してバランスを崩し、転落してしまうこともあるんですよ。
──ということは、脚立って使わないほうがいいんじゃないですか?
杉原さん:いえ、そんなことはありません。高いところでの作業では、脚立を使用するのが一番安全です。ではなぜ重大な事故が起きているのかというと、実は脚立を間違った使い方をしている人が多いです。
──なぜ間違ってしまうんでしょうか。
杉原さん:取扱説明書がついているのですが、あまり読まれていないようなんです…。ほとんどの脚立は、JIS規格やSGマークなどの公的規格を取得しており、正しい使い方をすれば安全なので、ぜひおぼえていただきたいですね。
──では、脚立の間違った使い方と正しい使い方を教えてください。