小葉をたくさんつけ、フワフワした涼しげな印象の葉が魅力のアジアンタム。室内で育てるのに最適な、人気の観葉植物です。ナチュラルな雰囲気で、様々なテイストのインテリアに合わせやすいのも魅力です。アジアンタムの特徴と品種、育て方や、葉がチリチリになるトラブルまで詳しく解説します。
観葉植物として育てるシダの代表種で、以前から根強い人気があります。主に小~中サイズの鉢植えとして流通しています。しだれ気味になる葉を活かして、吊り鉢にしても魅力的です。ただし乾燥しやすいので注意してください。
根の発達が旺盛で、比較的早く根詰まりしやすいです。セラミスなどの人工用土でグラスなどの透明容器に植えると、早く根が容器いっぱいに生育して見苦しくなります。
アジアンタムの仲間は、世界の熱帯から温帯に約250種があります。多くの種類は、水辺の岩壁などに付着するように生育します。そのため湿り気が多く排水のよい場所を好みます。中南米原産のラディアナムが主な原種で、その園芸品種が多く栽培されます。
アジアンタムの仲間は日本にも分布しますが、観葉植物として栽培されるのは熱帯地域が原産です。
よく流通する品種で、鉢を大きくしていくと1m近くの大株になります。
アジアンタムの代表的な品種で、茎は直立気味に伸びて全体的に引き締まった印象の株姿です。
非常に葉が小さく繊細な印象で、草丈は低くこんもりと茂ります。
新芽付近がランダムにピンク色になる、見た目も鮮やかでユニークな品種です。
大型になるアジアンタムで、葉も大きいです。大鉢で育てることができ、ボリューム感があります。
直射日光を避けた明るい日陰が適します。ただし暗すぎる場所に置くと間延びして茎が倒れ気味になり、草姿が乱れてきます。
空気中の湿度を好むので、エアコンやヒーターなどの風が当たる場所や、近くに置くのは避けてください。また冷暖房を作動させている時は乾きやすいので、霧吹きして湿度を保つとよいでしょう。
4月下旬から10月は、直射日光の当たらない屋外やベランダで育てることができます。ただし風があまり当たらない場所に置いてください。強風に当たると葉が傷みやすいです。
5月から10月は、鉢土の表面が乾いたらたっぷりと与えてください。夏頃に乾燥が激しい場合は、晴れた日は毎日与えてもよいでしょう。冬は鉢土が乾いたら与えます。
乾燥は嫌いますが、受け皿に水をためると根腐れすることがあります。
あまり多く必要としません。5月から10月に3要素が等量の緩効性化成肥料を規定量の半分程度与えればよいでしょう。
新芽付近にアブラムシが発生することがあります。また屋外では、ナメクジが好んで新芽を食べます。見つけ次第、早めに防除してください。
春と秋の温度が低めの時期に過湿にすると、立ち枯れしやすいので注意してください。
根の発達が旺盛なので、毎年植え替えするとよいでしょう。最低でも2年に1回は植え替えしてください。根詰まりすると水が根鉢の底まで浸透しづらくなり、水切れしやすくなります。また生育も悪くなって葉色が悪くなり、葉の数も少なくなります。
5月から9月に根鉢の下の部分の土を4分の1程度を落とし、一回りから二回り大きな鉢に新しい用土で植え替えてください。
赤玉土小粒5、軽石2、ピートモス3などの水はけのよい用土が適します。乾燥は嫌いますが、水はけが悪いと根腐れしやすくなります。観葉植物用の培養土も使うことができますが、水はけが悪い場合は軽石を2~3割足すとよいでしょう。
寿命で黒っぽくなって枯れてきた葉は、そのままだと長期間見苦しいです。葉が変色して枯れてきたら、根元から切ってください。
比較的耐寒性があり、0℃近くの低温に耐えます。ただし凍るような環境では枯れてしまうので、冬は室内で越冬させます。葉を美しく保つには、5℃以上の最低温度が望ましいです。
5月から9月に株分けでふやします。葉が展開していない新芽は残し、葉はすべて根元から切ります。根鉢の下の部分の土を3分の1程度を落とし、ハサミなどで切れ込みを入れながら2~3株に分けます。
アジアンタムの多いトラブルで、水切れ、直射日光に当てた、冷暖房機の風に当てたなどの原因がまず考えられます。
他には閉め切った室内のカーテン越しの窓際に置き、昼の不在中に異常な高温になったことなども考えられます。葉を根元から切れば新芽が出てくるので、諦めないでください。
エアコンから離れていても、風が当たっている場合があります。置き場所をよく点検してみてください。
水切れも不注意だけでなく、根詰まりして乾きやすくなっているかもしれません。鉢を一回りから二回り大きな鉢に植え替えるだけで、かなり水切れしにくくなります。
光線不足が原因です。光線不足になると、明るい方向に伸びる傾向が強くなります。そのような株は、新芽を残してバッサリと葉を根元から切ってください。さらに明るい場所に置き、即効性のある液体肥料を1週間に1回与えると早く回復します。
アジアンタムの鉢植えを部屋に置けば、グリーンのナチュラルな爽やかさや、フワフワの優しい雰囲気を演出できます。乾燥に注意すれば、栽培も難しくありません。アジアンタムを育てて、家の中でも素敵なグリーンライフを楽しんでください。