ミズナは京都で発達した葉菜です。そのため関東地方では「キョウナ(京菜)」とも呼びます。クセの無いシャキシャキした食感から煮炊きやサラダなど様々な料理に使われています。
ミズナにはビタミンA・C・E、カルシウム、リン、鉄、葉酸、食物繊維などが豊富に含まれています。
ミブナ(壬生菜)
なお、ミズナによく似た名前の野菜に「ミブナ(壬生菜)」があります。
このミブナは京都の壬生地区で誕生した、ミズナの突然変異だと言われています。ミズナとの違いは葉っぱ。ミブナの葉は丸く、ミズナとは違ってギザギザしていません。またミズナのようなシャキシャキ感はないため、漬物の材料として使われることが多いです。
さて、ミズナの種をまく時期と収穫時期は下図の通りです。
ミズナの作り方は簡単で、プランターで栽培することもできます。
例年3〜11月頃に種をまき、収穫はほぼ一年中できますが、冷涼な気候を好むので、秋まきが育てやすいでしょう。
肥料はあらかじめ1㎡あたり苦土石灰100g(コップ1杯)、たい肥2.5kg(バケツ2杯半)、化成肥料100g(コップ1杯)を土に入れ、よく耕しておきます。
ミズナは気温が25℃くらいになったら種をまきます。土の表面を板などで平らにならして、深さ1cmくらいの溝をつけたら1〜1.5cm間隔で種をまき、その上から土を5mmほどかぶせます。水やりはしっかり行いますが、種が浮き出たりしないよう気を付けましょう。
発芽後、間引きは一度でやらずに、2~3回に分けて行っていきます。指でつまんで引き抜こうとすると、ほかの苗を傷めてしまう恐れがあるため、間引きはピンセットを使うか、家庭菜園用ハサミでカットするといいでしょう。
混んでいるところを中心に、半分くらいに間引きします。間引きが遅れると苗が弱ってしまうので注意しましょう。
最終的には、株と株の間を5cmくらいにします。大株にするときには、株と株の間を15cmくらいに間引くと良いでしょう。
2回目の間引きは、図のような状態の苗があったら間引きしましょう。葉の色が黄色に変色していたり、まだらになったりしている場合は追肥が必要です。その場合は、化成肥料を入れて表面の土と軽くまぜますが、肥料をやりすぎるとエグみが強くなるので注意しましょう。
ミズナは育つのが早い野菜です。大きくなりすぎると品質が悪くなるので、20〜25cmくらいの大きさで収穫します。株元をつかんで引き抜いた後、根の際を包丁やハサミで切りましょう。
ミズナを収穫できるまでに掛かる日数は次の通りです。
夏なら30〜40日、春や秋なら50〜60日、冬でも70〜80日で収穫できます。種を少しずつ何回かに分けてまけば、連続して収穫できるでしょう。
ミズナはプランターでも簡単に栽培できる野菜のひとつです。室内に持ち込んで暖かな窓のそばで栽培すれば、温室と同じような環境になり、観葉植物のようなインテリアにも早変わりします。
真冬はトンネル栽培を行い、春はビニールフィルム、そして真夏には寒冷紗を使います。防温・防寒対策だけではなく、害虫から野菜を守ってくれる大切な役割があり、これらの栽培方法が葉を食べる野菜作りの基本です。作れる野菜の種類が多くなれば、野菜作りの楽しさもさらに広がりますね。
間引きした小さなミズナの苗は、つまみ菜として料理に利用できます。間引きはタイミングを逃さず丁寧に、そして収穫期は大きくなりすぎないように注意しながら収穫して、採れたてのミズナを味わってください。
Q. 病害虫対策はどうすればいいですか?
A. コナガ、アブラムシなどの害虫は発生しやすく、放っておくと葉を食べてしまうので、幼虫は見つけたら捕まえて駆除しましょう。防虫ネットや寒冷紗でトンネル掛けをしておけば、産卵を予防することができます。また、病気は根こぶ病や立枯病が問題となります。農薬を散布したり水はけを良くするなど土壌改良に努めて予防しましょう。
Q. 収穫したミズナは小さくても食べられますか?
A. 食べられます。サラダに入れるなどして食べましょう。また、収穫する数が多いと、終盤は大きくなりすぎて品質が悪くなってしまうため、小さいうちから収穫を始めるといいでしょう。
Q. そのほかにミズナを自分で育てる場合に注意すべき点はありますか?
A. 収穫後にミズナの根っこを畑に残したままだと土壌病害の原因になりますので、畑から持ち出すように心掛けましょう。