みなさん、アクアリウム楽しんでいますかー?
こんにちは。カインズ昭島店で魚飼育に関するアイテムを購入し、試すのが好きな菊地です。
魚を飼育するうえで欠かすことのできないろ過フィルター。みなさんはどのタイプを使っていますか?
ろ過フィルターには、オーバーフロー式や外部式、投げ込み式、外掛け式などさまざまなタイプがあります。
大型魚は水を汚しやすいため、オーバーフロー式や上部式といったろ過能力の高いタイプを選ぶことになるでしょう。しかし小型魚の場合、投げ込み式や外掛け式といったろ過能力は劣るものの、リーズナブルで手軽なタイプも選択できるようになります。
しかし、これだけろ過フィルターの種類が多いと何を選んでよいのか悩んでしまいますよね。
そこで今回、私が小型魚飼育におすすめしたいのが、底面フィルターです。
底面フィルターは、シンプルな構造でありながら、ろ過能力も高いのが特徴です。フィルターを底面に設置し、その上に底砂を敷いて使用するため、水槽内にモーターやスポンジの設置が不要。水槽内をすっきりと見せることができます。
私の印象では、あまり使用している方がいない人によってはあまり馴染みのない底面フィルターですが、実はさまざまなメリットがあります。
せっかく自然界をイメージしてレイアウトしても、スポンジがあるだけで雰囲気が崩れる
投げ込み式フィルターは手軽さはピカイチですが、水槽内にフィルターを設置する必要があるため、景観を損なうデメリットがあります。
筆者が愛用している外部式フィルター(水槽ではポリプテルスやキクラを飼育している)
また上部式フィルターや外掛け式フィルター、外部式フィルターは、水槽の周りにフィルター本体を設置するため、水槽回りにモノが増えてしまいます。そのため、設置場所が限られたり、部屋の雰囲気を崩してしまう場合もあります。
しかし底面式フィルターなら、水槽内でろ過サイクルが完結するため、水槽内外ともにスタイリッシュにまとめることができます。
底面式フィルターは、水槽内に設置した底砂をろ材として活用するため、専用のろ材を用意する必要がありません。また、底砂であれば、どんなものでもろ材として活用できるため、種類も豊富です。
エンゼルフィッシュ
底面式フィルターでは底砂全体をろ材として活用できるため、外掛け式フィルターや投げ込み式フィルターと比べて高いろ過能力を期待できます。
そして底面式フィルターの最も魅力的なポイントは、そのコストパフォーマンスの高さです。上部式フィルターと比べるとおよそ半分の価格で購入できるにも関わらず、それに近いろ過能力を発揮します。
水槽内全体の水を動かし、止水域を減らすことのできるのも底面式フィルターの魅力。上部式フィルターや外掛け式フィルターは、水槽全体(特に底砂のなか)の水を動かすことが難しいため、どうしても止水域が生まれます。止水域ではごみがたまり、病原菌の温床になるリスクがあります。
一般的なろ過フィルターでは、水槽内に給水口がむき出しになっているため、稀に稚魚や稚エビ、小さな魚が吸い込まれる痛ましい事故が発生します。
しかし、底面式フィルターでは、給水口が底砂に覆われているため、生き物が吸い込まれるリスクは少ないといえます。
もちろん底面式フィルターにもデメリットがあります。
底面式フィルターは、エアーレーションを活用して水流を作ります。そのため使用するエアポンプによっては、水流が弱くなってしまうのです。
そのため、水流が必要な魚の飼育や高さのある水槽には向かない傾向にあります。ただ、外掛け式フィルターや上部フィルターと連結させることで、このデメリットは解消される場合もあります。
またエアポンプではなく、浄化槽エアーポンプを使用するのもおすすめです。エアポンプよりも強力なため、複数の水槽にエアーを送ることも可能です。ほとんどの浄化槽エアーポンプは吐出量を調整できないため、エアー調整バルブを別途用意する必要があるので注意しましょう。
浄化槽エアーポンプなら水流も強くできる
筆者は一つの浄化槽エアーポンプで、1800㎜水槽を2つ、1500㎜水槽を2つ、1200㎜水槽を1つ、900㎜水槽を2つ、計7台の水槽にエアーを送っていますが、まだまだ余力があります。それほど強力なポンプなので、エアー調整バルブを設置せずに底面式フィルターに直結すると、水槽内の魚は吹き飛ぶ可能性があります。絶対にやめましょう。
底面式フィルターでは、底砂が物理ろ過、生物ろ過の役割を果たします。そのため、底砂に根を張る水草があると、水流の妨げとなり、目詰まりの原因となります。
また底面式フィルターの影響によって、底砂から栄養が流れ出るため、水草に必要な栄養分が行き渡らず、水草が栄養不足に陥ってしまう可能性もあります。
また、水草を安定させるために底砂を厚く敷くと通水性が悪くなり、底面式フィルターのろ過能力を低下させることにもつながります。
底面式フィルターを使用する水槽のレイアウトには、水草を使わず流木をメインにする、水草を底砂ではなく鉢に植える、など工夫をしましょう。
底面式フィルターは、底砂が物理ろ過の役割も果たすため、底に食べ残しやフン枯葉などがたまっていきます。汚れが蓄積すると目詰まりを起こし、ろ過能力が著しく低下します。定期的なメンテナンスが欠かせません。
しかし、その工程は水槽をリセットするのと同等の労力を要します。
底面式フィルターは、底砂の下に設置して使用するため、メンテナンス(掃除)をする際は生体を移動させ、レイアウトを崩し、底砂を撤去する必要があります。
しかし、水作 プロホースエクストラを使って小まめに底砂を掃除すれば、レイアウトを崩さずにメンテナンスを行うことができます。
大切なのは、底面式フィルターに汚れが詰まる前に汚れを取り除くこと。底砂に汚れがとどまっている間にプロホースで吸い取ることで、リセットまでの期間を伸ばすことが可能です。
週に1〜2度の水換えの際に、合わせて底砂をプロホースでごみを吸い取るようにしましょう。
現在はさまざまなメーカーから底面式フィルターが発売されていますが、筆者がおすすめするのはGEX マルチベースフィルターです。
GEX マルチベースフィルターは、底面部が薄いため、底面式フィルターの存在を気にせずに水槽内をレイアウトできます。またスリットが細く、粒の小さい底砂を使用しても目詰まりしづらいメリットもあります。
別売りのオプションベースフィルターを購入すれば、簡単に拡張可能。
筆者のおすすめポイントは、接続は簡単なのに外れにくい点です。商品によっては接続がしづらく、簡単に外れてしまうモノもあるので注意しましょう。
吐出口が広く、パイプの直径も大きいため、なかのコケ掃除が非常に簡単に行えます。パイプがクリアなので、水槽内で主張しないのも嬉しいポイントです。
また吐出口がワイドに設計されているためか、泡のポコポコとした音が小さくなっています。寝室で使用しても気にならないレベルです(筆者の場合です)。
筆者はワイルドベタの繁殖に挑戦するため、底面式フィルターを買いだめしています
底面式フィルターの使い方はいたって簡単! まずは水槽を用意します。
今回は、GEX マリーナ幅60cm水槽を使っていきます。
そこにGEX マルチベースフィルター Lを設置していきます。Lには、14×7㎝の小型ベースが9枚入っています。
今回は16枚の小型ベースを使用しました。
砂利は4〜6㎝の厚さになるように敷きます。砂利のサイズは粒0.5㎝〜がよさそうです(もう少し大きいほうがいいかも?)。これよりも粒の小さい砂利を使う場合は、ろ過マットを敷いてから使用しましょう。
ちなみにソイルを使用する際は、ソイルは時間が経つと粒が崩れ、目詰まりの原因となる場合があるので注意が必要です。
あとは底面式フィルターにエアーポンプをつないで完成。さっそく水を貯めていきます。
とりあえず流木を中心に配置してみました。
流木はカインズで購入したものを使用します。ちなみに流木には、同じカタチのものは一つとして存在しません。つまり一期一会です。
そのため筆者はカインズの店舗に寄った際は、流木をチェックして好みのカタチのモノが入荷しているかを毎回チェックしています。
アクアリストの間では「流木はいくつあっても困らない。気になったら買え」という言葉があるとかないとか。
というわけで完成しました。水草は直接植えるのではなく、鉢に植えたり流木に活着させたりしています(水面に水草が浮いてるのが好きなのは筆者だけでしょうか…)。
底面式フィルターだからこそのすっきりとしたデザインに仕上がっているのでは!? ちなみに筆者は水槽のレイアウトに関してはズブの素人なので、優しく見守っていただけると嬉しいです。
ちなみに室内飼育が難しいといわれているメダカにも、底面式フィルターはおすすめです。メダカの室内飼育が難しいと感じる原因のひとつは、水づくりが上手くいっていないケースがほとんどです。
止水域が生まれづらく、ろ材(底砂)の量も豊富な底面式フィルターは、水づくりが容易に行える仕組みです。そのため、水づくりに悩むメダカ飼育初心者にこそおすすめしたいろ過フィルターでもあるのです。
もし、あなたがまだ底面フィルターを使ったことがないのなら、ぜひ一度試してしてみてはいかがでしょうか。
きっと水づくりの面白さ、水槽レイアウトの楽しさを感じられるはずです!
※売り切れや取り扱い終了の場合はご容赦ください。
※店舗により取り扱いが異なる場合がございます。
※一部商品は、店舗により価格が異なる場合があります。