防水スプレーはよく間違った使い方をされています。
本来は雨の侵入を防ぎ、同時に素材をカビや腐食から守ってくれますが、正しく使わないと効果を発揮できません。
それどころか防水スプレーを誤って大量に吸い込んでしまうと、死亡事故につながることもあります。
そこで「AMEDAS(アメダス)」を製造・販売するコロンブスの小髙公次さんに、防水スプレーを安全に使うための正しい使い方やよくある誤解、注意事項などを詳しく聞きました。
株式会社コロンブス 企画部 係長 小高公次さん
──防水スプレーの使い方を間違うと死亡事故につながるのは本当ですか?
小髙さん:はい、本当です。密閉された状態の浴室で防水スプレーを大量に使ったために、死亡事故に発展してしまったケースがあります。スプレーを大量に吸い込んでしまったのが原因でしょう。
他にも玄関で複数の靴を並べて一気にスプレーしたら気分が悪くなったり、ブーツに防水スプレーを1本分使用したら息苦しくなったりといった事故も報告されています。
──事故は多いのですか?
小髙さん:防水スプレーの吸い込み事故に関しては、スキーが流行した1990年あたりで一度爆発的に増えましたが、それ以降は低下しつつありました。しかし、2010年くらいから徐々に吸い込み事故は増えてきています。
公益財団法人日本中毒情報センター「防水スプレーを吸い込む事故に注意しましょう! 」をもとに作成
小髙さん:過去の事故から、エアゾール製品(スプレー缶)の調査や研究等を行う一般社団法人日本エアゾール協会で、防水スプレー製品では粒子を大きくするよう定めているので、以前よりは吸い込み事故のリスクは低くなっています。
正しく使いさえすれば、吹きかける時間も短いので安全といえます。とはいえ、多少は内容成分が空気中に残ってしまうので、吸い込まないためにも正しい使い方を知っておくことが重要です。