小さく可愛い観葉植物として人気のワイヤープランツ。あちこち自由に伸びる細い茎に小さな葉を付けるつる性の植物です。小さな鉢植えでは儚げな印象ですが、意外と丈夫で寒さにも強いです。生育も旺盛で、地植えすると家の天井を越すくらいの高さまで生長することもあります。環境適応性が高いので、様々な楽しみ方ができるのもワイヤープランツの魅力です。
この記事では、ワイヤープランツの特徴と性質、主な仲間と品種、育て方などを詳しく解説します。
つる性の低木で、小型の鉢植えが園芸店や雑貨店などでもよく流通します。耐陰性があり育てやすく、コンパクトでおしゃれな雰囲気の観葉植物として人気があります。
径1cmほどの小さな葉は密に茂り、夏頃に小さな白花が咲きますが目立ちません。枝は紅茶色で光沢があり、ワイヤーのように細いことが名前の由来です。枝葉が茂って15~20㎝ほどの高さになりますが、つるは最大で5mほどの長さに生長します。枝は細いので横に這うように伸び、地面に着いた節からはよく発根します。支柱や壁があるとよじ登って生育します。自生地などでは、他の植物を覆うように茂ることもあります。
寒さに強く、関東では戸外でよく越冬します。霜や冷たい強風に当たると落葉しますが、霜が降りない地域では常緑です。
驚くほど様々な育てかたで楽しめるのがワイヤープランツの魅力です。環境適応性が高く、日なたから明るい日陰まで場所を選ばず育ちます。
小苗は観葉植物の他、寄せ植えの材料として使われます。また枝が垂れるように伸びるので、吊り鉢にも最適です。支柱やフェンス、トレリスなどを設置すると、つるは絡み合って上方向に伸びます。枝葉がよく茂るので、ボリュームある姿を楽しめます。
庭などに地植えすると、横に広がってグランドカバーになります。マット状に程よく茂り、雑草を抑制します。
用途が広いので、庭やベランダ、室内など様々な場所で重宝します。よく伸びるつるはさし木で発根しやすいので、ふやしていろいろな楽しみ方で育ててください。
ワイヤープランツの仲間は、主につる性、または匍匐性の低木です。オセアニアや熱帯アメリカ、南アメリカ南部などに25種類が知られています。
やや幅の細い葉にピンクや白の斑が入った品種です。
スペード、またはバイオリンのような形をした葉が特徴です。
ニュージーランド原産の低木です。葉は1.5㎝ほどで小さく、密に茂ります。枝葉が地を這うように広がってマット状になり、グランドカバーに利用されます。
日なたを好みますが、半日陰から明るい日陰でも育てることができます。ただし長期間暗い場所に置くとつるが間延びして葉数が少なくなり、株姿が悪くなります。
葉焼けしやすい春から秋の閉め切った室内では、午後の日光を当たらない半日陰から明るい日陰で育てます。温度が上がりやすい夏は、明るい日陰に置きます。
ワイヤープランツは、夏の水切れによる失敗が多いです。特に小型の鉢植えは乾燥しやすく、水切れさせると深刻な被害になりやすいです。若い小苗の糸のように細い枝は、傷むとそのまま枯れてしまうことも多いです。水切れによる失敗を防ぐために、夏は鉢植えを半日陰や明るい日陰に移動すると安心です。
耐寒性があり、-10℃程度の低温に耐えます。東北南部以南の地域で、屋外で越冬します。ただし小苗は寒さに強くないので、室内で0℃以上保つようにしてください。
寒さや乾燥で葉が落葉しても、枝が生きていれば春に芽が出て復活します。春遅くに芽が出ることもあるので、処分しないよう注意してください。
鉢土の表面が乾いてから水やりするのが基本です。ただし日なたで育てている鉢植えは、乾燥に注意してください。水切れに弱いので、暖かく晴れた日は毎日の水やりの他、夏の乾燥時は朝夕2回の水やりが必要な場合があります。
ひどく水切れさせてほとんどの枝が枯れてしまった場合、根元付近が生きていれば復活します。
鉢植えは春の5~6月と秋の9~10月に、3要素が等量の緩効性化成肥料を規定量与えます。あまり大きくしたくない場合は、規定量の半分程度与えればよいでしょう。
発生は少ないですが、アブラムシが発生することがあります。見つけ次第、薬剤などで防除してください。
伸びすぎたつるは、切り戻して形を整えます。強い切り戻しは、春から夏にかけての時期に行うとよいでしょう。伸びすぎた枝を切ったり、込みすぎた部分の枝を間引くような剪定は、いつでも行うことができます。
生長が早いので、1~2年に1回、植え替えます。購入した鉢植えの鉢が小さい場合は、すぐに1~2回り大きな鉢に植え替えるとよいでしょう。
深鉢を使う場合は、鉢底石を多めに入れて排水よく植えてください。
草花に広く使える一般的な培養土や、観葉植物用の培養土を使うことができます。または赤玉土小粒7に腐葉土を3割程度混ぜたような用土を使います。
排水がよく、適度に湿り気のある土壌が適します。庭などに地植えする場合は、春の4~6月、秋の9~10月に植えつけの適期です。植え付ける場所に腐葉土などを入れて混ぜ、植えてください。小苗を春に植えた場合は、夏に乾燥が続く時は水やりした方がよいでしょう。
春の5~6月、秋の9~10月に、さし木で容易にふやせます。枝を10㎝ほど切り、下の方の葉をとってさし穂とします。赤玉土小粒などの清潔な用土にさし、明るい日陰で乾かさないように管理します。
水挿しでも発根します。
丈夫で育てやすいワイヤープランツは、室内の観葉植物から屋外のガーデニングまで様々に楽しめます。地植えすると手間がかからず、容易にふやせるのも魅力的です。用途が広くお得な植物といえるワイヤープランツを、ぜひ部屋や庭に迎えてはいかがでしょうか。