お風呂の床や排水口によく発生するピンク汚れ。カビだと思われることが多いですが、正体は「ロドトルラ」と呼ばれる酵母菌です。

本記事では、お風呂のピンク汚れ「ロドトルラ」について詳しく解説します。ピンク汚れができる原因や、ハイターやエタノールを使った落とし方についても紹介しますので、掃除の際に役立ててくださいね。

今回は、お掃除のプロである錫村聡さんに解説してもらいます!

錫村聡さんプロフィール

錫村聡

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お風呂のピンク汚れの正体・増える原因とは?

お風呂の床のピンク汚れ

お風呂のピンク汚れはカビだと思われることが多いですが、実はカビではありません。そんなお風呂のピンク汚れの正体と、増え続ける原因を解説します。

ピンク汚れの正体はカビではなく酵母菌「ロドトルラ」

お風呂のピンク汚れは、「ロドトルラ」と呼ばれる酵母菌の一種です。水回りに発生しやすく、お風呂の床や排水口の周り、シャンプーボトルの底などでよく見られます。

ロドトルラは湿気が好きでどんどん増える

ピンク汚れ「ロドトルラ」は、湿気・温度・栄養(皮脂汚れなど)がそろうと増殖します。とくに水分を好むため、お風呂場のような湿気の多い場所ではこのピンク汚れがよく見られます。

ロドトルラはカビよりも繁殖スピードが速く、しっかりと掃除をしていても発生する厄介な汚れです。お風呂を清潔に保つためには、丁寧な掃除と日々の予防が欠かせません。

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錫村さん

こまめに掃除をしていてもピンク汚れ『ロドトルラ』は発生します。カビと発生条件は似ているのですが、ピンク汚れの方が容易に発生します。ただカビよりは除去することは簡単なので、汚れが出てきた初期のうちに落とすのが良いでしょう

ピンク汚れを放置するとどうなる?

ピンク汚れを放置してしまうと、どんどん増殖して汚れが広がり続けます。さらに、ピンク汚れは黒カビの栄養源になるため、やがて黒カビも発生してしまいます。

黒カビが定着するとなかなか取れないため、ピンク汚れが発生したらすぐに対処するか、そもそも発生させなくすることが大切です。

お風呂のピンク汚れの落とし方とは?

バスマジックリンと漂白剤を使ってお風呂掃除

お風呂のピンク汚れが発生したら、どう対処したらいいのでしょうか。スポンジ・歯ブラシやオキシクリーン、エタノールなどさまざまな道具を使った掃除方法を紹介します。

1.スポンジや歯ブラシでこする

ピンク汚れが少ないうちは、スポンジや歯ブラシでこするだけでも簡単に落とせます。週に1度ほどのペースで、浴室をこすり洗いしましょう。

まず、シャワーでピンク汚れを濡らし、浴室用洗剤を吹きかけます。次に、スポンジや歯ブラシを使って汚れをこすり落としていきます。最後にシャワーで洗剤を洗い流し、乾いたタオルで水分を拭き取れば完了です。

掃除が終わったら、浴室内の湿気をとるために換気扇を回しておきましょう。

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とくに気をつけたいのは排水口回りです。石けんカスなどを洗い流したつもりでも汚れが残っていると、排水口回りにピンク汚れが発生します。また、ピン汚れはお風呂場の洗面台の裏側にもよく発生するので、そういった箇所も確認した方がよいでしょう

2.オキシクリーンで洗浄する

オキシクリーンを使って、お風呂の床をオキシ漬けするのもおすすめです。

まず、排水口に栓をします。ビニールに水を入れたものを使うと準備も片付けも簡単でおすすめですよ。次に、スプーン2〜3杯のオキシクリーンを床にまき、40〜60℃のシャワーで溶かします。

お風呂の床ギリギリまでオキシ液をためたら、2時間ほど放置します。漬け置きが終わったら、栓をとってオキシ液を流しましょう。その後ピンク汚れをブラシでこすります。オキシクリーンで汚れが浮き上がっているため、優しくこするだけで落とせますよ。

最後にシャワーを使って床全体を洗い流し、乾いたタオルで拭き上げたら完了です。浴槽と小物も、同じ要領でオキシ漬けしましょう。除菌・消臭効果もあるため、ピンク汚れの予防にもなっておすすめですよ。

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私もよくやりますが、排水口のゴミ受けをスーパーの袋でつつんで縛り、元の位置に戻した状態で水を上から入れると、重みで水を止めることができます。スーパーの袋は小さめなサイズのものがちょうどいいです。また排水口用のシリコンカバーなどもあるので、そういったものを使用してもいいですね

3.消毒用エタノールで除菌清掃する

消毒用エタノールも、お風呂のピンク汚れに効果的です。ピンク汚れは「ロドトルラ」という酵母菌のため、消毒用エタノールを使うと死滅させられますよ。

まず、キッチンペーパーにエタノールを含ませて、ピンク汚れに貼り付けます。10分ほど放置したら、キッチンペーパーを取り除きましょう。ブラシなどでピンク汚れをこすり落として、シャワーで洗い流し、乾いたタオルで拭き上げて完了です。

4.塩素系のカビ取り剤・漂白剤を使う

浴槽に置かれた漂白剤とバスマジックリン

お風呂のピンク汚れがひどい場合は、塩素系のカビ取り剤や漂白剤を使いましょう。キッチンハイターやカビキラーがおすすめです。

まず、洗浄剤をピンク汚れに吹きかけます。5分ほど放置した後、シャワーで洗い流すだけで簡単に汚れが落ちますよ。汚れが残っている場合は、ブラシなどでこすり落としましょう。最後に乾いたタオルで拭き上げて完了です。

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錫村さん

塩素系のカビ取り洗剤・漂白剤を使用するのが良いと思います。カビキラーなどをかけて床用ブラシなどでこすると、簡単にピンク汚れが落とせることもあるので、見かけたら早めにカビ取り洗剤をかけるようにしましょう。ちなみにハウスクリーニングの現場では、カビを落とそうとして、気づいたらピンク汚れも落ちていたということが多々あります

5.重曹・クエン酸を使う

重曹・クエン酸もお風呂のピンク汚れに効果的です。弱アルカリ性の重曹と酸性のクエン酸を同時に使うと、勢いよく泡が発生して汚れが落としやすくなりますよ。

まず、ピンク汚れに重曹をたっぷり振りかけます。次にクエン酸を振りかけて、40℃ほどのお湯をかけましょう。シュワシュワと泡が出てくるので、そのまま泡が出なくなるまで待ちます。最後にシャワーで洗い流して完了です。

お風呂のピンク汚れを予防するには?

厄介なお風呂のピンク汚れを予防するには、こまめな掃除がポイントです。以下の方法で掃除して、ピンク汚れを防ぎましょう。

1.熱いシャワーで皮脂・石けんカスをよく洗い流す

お風呂のピンク汚れは、皮脂や石けんカスを栄養にして増殖します。ピンク汚れを発生させないためにも、入浴後はお風呂全体を熱いシャワーでよく洗い流しましょう。床や壁、浴槽のほか、シャンプーボトルの下までしっかり流すのが大切です。

2.冷たいシャワーでお風呂の温度を下げる

お風呂のピンク汚れは、20〜30℃で活性化して増殖します。熱いシャワーで皮脂・石けんカスを洗い流した後は、冷たいシャワーでお風呂の温度を下げましょう。このひと手間でピンク汚れを防げます。

3.しっかり換気してお風呂を乾燥させる

ピンク汚れは、湿気をとくに好みます。お風呂を掃除した後は、しっかり換気して浴室を乾燥させましょう。乾いたタオルで水を拭き取るのも効果的ですよ。

4.シャンプーなどの小物類の水はけに注意

シャンプーボトルなどの小物類は水がたまりやすく、ピンク汚れが発生しやすい場所です。ラックや浮かせる収納などを使って、水はけをよくしておきましょう。入浴後、乾いたタオルで水分を拭き取るのも効果的です。

錫村聡さんプロフィール

錫村さん

温冷法とも呼ばれますが、お風呂に最後に入った人が熱いシャワーで石けんカスなどを洗い流し、水に切り替えて再度流します。温度・湿度を下げるこの方法は、カビ・ピンク汚れともにとても効果的です。さらに残った水を水切りワイパーなどできると、より効果は高まると思います

磁石で貼り付く水切りワイパー

磁石で貼り付く水切りワイパー

錫村聡さんプロフィール

錫村さん

水切りワイパーをお風呂場の床に置いておくと水切りワイパー自体がカビることもあるので磁石で貼り付けられるのはとても良いと思います

お風呂のピンク汚れの落とし方・まとめ

※売り切れや取り扱い終了の場合はご容赦ください。
※店舗により取り扱いが異なる場合がございます。
※一部商品は、店舗により価格が異なる場合があります。
※効果は使用環境や使用状況により異なります。