『ひえひえくんⅡ』との運命的な出会いは、カインズ青梅店の日用品売り場の片隅だった。もともとは筆者と愛猫が愛用している猫砂を買って帰るつもりだったが、その日は、うだるような暑さで、少し涼んでから帰ろうと店内をぶらついていた。
まさか、猫のトイレ事情が、人間である私の人生を劇的に変えるきっかけになるとは。運命の女神は、時として猫砂のそばに潜んでいるものなのか。
突如として目に飛び込んできた『ひえひえくんⅡ』。「扇風機にのせるだけで体感温度が1〜2℃下がる」というフレーズに、砂漠で蜃気楼を見た旅人のような興奮を覚えた。これは幻なのか、それとも暑さ対策の救世主なのか。
背景との若干のミスマッチは気にしないでほしい
改めて紹介すると、『ひえひえくんⅡ』は、冷凍庫で凍らせて扇風機のモーター部分に設置するだけで、体感温度を1〜2℃下げてくれるという優れモノ。近年の猛暑続きの気候にぴったりのアイテムだ。
開けるとこんな感じ。部品数も少なく、組み立ても簡単。分かりやすい説明書が同封されているので、おそらく、小学校低学年の子どもでも1人で組み立てられる。
まず、本体のキャップを上にした状態で開き、水位ラインまで水を注ぐ。なかにはあらかじめ、高吸水性ポリマー(自重の100〜1000倍の水を吸水してくれる素材)が入っているので逆さまで開けないように注意しましょう。あとは、良く振ってから冷凍庫に入れるだけ。完全に凍るまで6〜8時間ほどかかる。
完全に凍ったら取り出して、組み立てていく。組み立てるとこんな感じ。
あとは扇風機に滑り止めシートを貼って、『ひえひえくんⅡ』を設置するだけ。
水受け皿がついているので、結露した水が下に滴る心配もない。
『ひえひえくんⅡ』を使用する際、気を付けたいのはジョイントを付け間違えないことと、扇風機を上向き・下向きで使用しないこと。(上向き・下向きで使用すると『ひえひえくんⅡ』がずり落ちてしまうため)
同封されているジョイントは長いタイプと短いタイプの2種類。扇風機の後ろガードまでの距離に合わせて選択する。サイズが異なるものを使用すると扇風機の羽根や、ジョイントが破損する可能性があるので注意しよう。
『ひえひえくんⅡ』のパッケージには「体感温度が2℃下がる」と記載されている。実際のところ、どうなのだろうか。
体感温度とは、実際の気温だけでなく、直射日光や風の有無、湿度などの要因を考慮して人間が感じる温度のことを指す。つまり、同じ気温でも、湿度が高いとアツく感じたり、風が強いと涼しく感じたりするということだ。
体感温度は数値で出すのが難しいため、記事でどう伝えようか悩ましいところ。そこで今回は、サーモカメラを使って検証も行うことにした。
サーモカメラとは、物体から放射される赤外線を検出して、その温度分布を画像として表示してくれるカメラだ。可視光ではなく赤外線を映し出すため、温度の差を色で視覚的に表示する。
つまり、記事でも温度をしっかりと視覚的に伝えることができるのだ。
使用するのは、スマートフォンに取り付けて使用できるタイプ。サーモカメラを使用して検証することをとなりのカインズさん編集長の与那覇さんに伝えると、
とのこと。
鋭い…! さすが編集長ともなると目のつけどころが違う。しかし、どうしても『ひえひえくんⅡ』の実力を可視化したい一心で、筆者が普段から使用している仕事部屋で検証を行った。
筆者は植物大好き
検証時期:7月中旬
外気温:33℃
室内気温:35℃
筆者の仕事部屋にはエアコンがない。なので、外気温よりも室内の気温の方が暑くなることもある。我ながら、とんでもない環境で仕事をしているものだと感心した。
検証結果が分かりやすいように上半身は服を着ていない。許してほしい
まずは扇風機も使っていない状態で1時間仕事をしてみた。普通に暑い。熱のこもった部屋の空気を送風しているのだから当たり前とは当たり前だけども。
サーモカメラは、高温エリアを赤く、低温部分を青く表示する。今回の写真は、身体全体が赤く、体の表面は36.5℃を記録した。
次に扇風機を回して一時間仕事をしてみた。体感では3〜4℃くらい下がった気がしたが、サーモカメラでは体表の温度が1.2℃下がった結果となった。
やはり扇風機があるのとないのでは、涼しさが全然違う。自然と仕事も捗った(気がした)。
つぎに満を持してひえひえくん2を装着してみた。普段から見慣れている扇風機が、なんだか近未来的な雰囲気となった。
では早速、使ってみる。
……涼しい!!!! 全然違う!!
しかもエアコンの風が直接当たっているような不快感がない!
写真はイメージ
例えるなら清流が流れる森の中にいるときに感じられる爽快さがある。使ってみるまでは半信半疑だったが、これは間違いなくホンモノだ!!!
よくよく見ると、なんだか愛着が湧いてくる見た目をしているじゃないか!
これはエアコンが苦手という人にこそ使ってほしい。そして、筆者のように半信半疑な人も、ぜひ使ってみてほしい。『ひえひえくんⅡ』の存在を知らずに30年以上生きていたのが惜しい。なぜ、誰も教えてくれなかったのだろう。
筆者は『ひえひえくんⅡ』を使う前は、毎日汗だくで仕事をしていた。ひどいときは、汗のせいでTシャツが背中に張り付き、集中力が続かないこともしばしば。しかし、『ひえひえくんⅡ』を使い始めてからは、まるで別世界にきたようだった。汗をかくことが激減し、快適に仕事ができるようになったのだ。
なんなら鳥のさえずりも聞こえてくる(気がしただけ)。
……。
少し落ち着こう。
体感温度では大幅に差があったが、サーモカメラではどうだろうか。
思った以上に変化が出ていた。体感温度だけでなく、数値としてもしっかり差が開いた。
やっぱりね!! こんなに涼しいんだもの、変化してると思ったよ!!(とはいえ、あくまで素人の検証なので、効果を保証するものではないことはご理解ください)
実際、体温が31℃まで下がっているわけではないので安心してほしい。あくまで体表の温度である
こちらは『ひえひえくんⅡ』を使用して、さらに1時間が経過したときの筆者である。体表の温度は31℃にまで下がっていた。
パッケージには約3時間使用できると記載されているが、環境によってはもう少し長く効果が持続する。筆者が寝る際にエアコンと併用していたところ、効果が4時間以上は続いていたように感じた。
しかし、近年はとてつもなく暑い。東京なら35℃の日もざらだ。室内はもっと暑くなる可能性だってある。そこでおすすめしたいのが、エアコンとの併用だ。
「結局、エアコン使うのかよ!?」そう思われた方もいるだろう。しかし、考えてほしい。扇風機と『ひえひえくんⅡ』を使用した際の体感温度は5℃下がる。つまり、エアコンの設定温度を大幅に上げられるのだ。
さて、ここまで『ひえひえくんⅡ』の素晴らしさを伝えてきた。ここからは、『ひえひえくんⅡ』を2週間使ってみて感じた弱点もご紹介する。
見ての通りである。一般的な家庭用冷凍庫のサイズでは、『ひえひえくんⅡ』を入れると、容量をかなり圧迫してしまう。あらかじめ家族に「『ひえひえくんⅡ』を冷凍庫に入れていい?」と聞いておくとよいだろう。
『ひえひえくんⅡ』の効果は3〜4時間で薄れていく。そのためフルタイムの在宅ワークやでは、就業時間まで耐えられない。『ひえひえくんⅡ』を2つ購入して2勤交代制で働いてもらうのをおすすめしたいが、1の「冷蔵庫、圧迫問題」に直面する。
とはいえ懸念点といえば、この2つくらいだ。この2つさえクリアしてしまえば、それ以上の恩恵を得られるだろう。
筆者の自宅には猫と犬がいるため、リビングは24時間エアコンが稼働している。自身の仕事部屋にはエアコンを設置せず、扇風機のみで耐えしのいでいた。
そんな最中、カインズの店内を散歩中に出会った『ひえひえくんⅡ』。偶然の出会いだったが、ここまで暮らしに変化が生まれるとは思わなかった。カインズには、まだまだ僕たちの知らない便利なアイテムがたくさんある。
もしアナタもカインズで思わぬ出会いを果たした便利アイテムがあれば、ぜひ、となりのカインズさん編集部に教えてほしい。
※売り切れや取り扱い終了の場合はご容赦ください。
※店舗により取り扱いが異なる場合がございます。
※一部商品は、店舗により価格が異なる場合があります。
※効果は使用環境や使用状況により異なります。
そもそも体感温度の差は、あくまで体感ですよね? サーモカメラでは可視化されないのでは?