オイルステインは、木材の着色材であるステイン塗料の一種。このステインとは、コーヒーやワインの着色汚れを指す「stain(ステイン)」のことで、汚れやシミといった意味を持ちます。
ステイン塗料には水性・油性がありますが、今回ご紹介するのは油性タイプ。オイル(油)をベースに作られたオイルステインは、油性ならではのツヤ感や、木目の美しさを際立たせてくれる効果を持ち、その使い勝手の良さからDIYユーザーの間で根強い支持を集めているのです。
カラーバリエーションや付加機能の多様さに加えて、ホームセンターでの手に入りやすさが人気の秘密。乾燥時間が早いので手早く重ね塗りをしやすいといったメリットもある一方で、塗装時や乾燥後しばらくは有機溶剤による強いシンナー臭がするため、屋内で家具や壁の塗装に使用する場合は注意が必要です。
木目を活かした着色によって、家具に高級感を与えられるオイルステイン。DIY上級者の皆さんは、どんなふうにオイルステインを活用しているのでしょうか?
@foxvoxx / Instagram
自作のテーブル作りに奮闘された@foxvoxxさん。塗装にオイルステインを使用して、木目に深みのある状態に。この後は蜜蝋ワックスを上塗りして、仕上げられたそうですよ。
@mame.home / Instagram
結婚10周年を記念してダイニングテーブルを新調! @mame.homeさんは、大工さんに丸テーブルをオーダーして、自然由来のオイルステイン「オスモカラー」でご自身で塗装したということです。
@menhir0809 / Instagram
お部屋に馴染むゴミ箱を手作りされたのは@menhir0809さん。日曜大工の成果あり、子どもたちがゴミ箱にきちんとゴミを捨ててくれるように! オイルステインで仕上げた塗装は、人気色のウォルナットを使用されたそうですよ。
@naughty_base_ / Instagram
なにやら秘密基地づくりを進行中の@naughty_base_さんは、いただきものというケーブルドラムでテーブルをDIY。オイルステインで塗装してキャスターを付けたら、完成!
@valle_y215 / Instagram
玄関ドアを自然由来の「オスモカラー」で塗装されたという@valle_y215さん。木目の風合いが美しいオイルステインの発色が、いつでも玄関まわりを明るい雰囲気にさせてくれそうですね。
ここからは、オイルステインの塗り方を手順に沿って解説します。
作業スペースをつくります。汚れてもよいマットやレジャーシートの上に新聞紙を敷きます。オイルステインは床まで浸透してしまうので、新聞紙に加えて必ずマットやレジャーシートを一緒に使用するようにしましょう。
購入してきたばかりの木材は、手の油分、接着剤、埃が付着していたり、木材が毛羽立っていて、オイルステインの浸透度が悪くなる恐れがあります。そのため、木材の表面をきれいに研磨します。研磨のコツは、木目に沿って磨くこと。まずは目の粗い紙やすりで大雑把に磨いてから、目の細かい紙やすりで磨くようにすると、きめ細やかな表面に仕上げられます。
次に、トレイに出したオイルステインを刷毛やスポンジに浸み込ませてまんべんなく塗っていきます。②と同じく、木目にそって方向を揃えて塗ると、綺麗な木目を出すことができますよ。オイルステインは乾燥しやすいので素早く塗るように心がけましょう。
オイルステインを一通り塗り終わったら、およそ1時間を目安に自然に乾燥するまで待ちましょう。乾燥はできれば日陰で行います。天日干しの方が早く乾燥しますが、紫外線によって変色してしまったり、木材によってはひび割れを起こしてしまう場合があるからです。乾燥後、ダマが気になったり埃が付いていたら、汚れを取り除いたり、紙やすりで再度磨いておきます。
乾燥が終わったら重ね塗りです。塗っている最中に濃すぎると思ったら、オイルステインが浸透する前にタオルで拭き取ります。色合いを調整しやすいので、ぜひ試してみてください。
再び、乾燥させます。初回と同じく、ダマや汚れを見つけたら紙やすりで再度磨いておきます。
最後にオイルフィニッシュを行います。オイルフィニッシュとは、オイルステインの最後の仕上げのこと。オイルステインはあくまでも色を付けるための塗料なので、塗りっぱなしだと他のものに色移りしてしまいます。「ワトコオイル」といった商品か、クリア系のニスなどを塗って木材の表面を保護するようにしましょう。
油性か水性かという違いのほかに、商品によって、多種多様な個性を持つのがオイルステインの魅力のひとつ。色の違いはもちろん、ニスの有無や防カビ効果といった付加機能の違いに触れながら、オイルステインの選び方のポイントをお伝えします。
手堅く人気なのはウォルナット。自然な仕上がりを目指すなら、ウォルナットを含むブラウン系で決まりです。何度か重ね塗りをすることで風合いが変わっていくのも、オイルステインの面白いところ。注意したいのが、よく似ている色の名前であっても、メーカーによって塗装後の発色の具合は異なるで、色見本を参考にお気に入りの色を見つけるようにしてくださいね。
一般的なオイルステインには、ニスのようなコーティング効果が含まれていません。本来は、オイルステインを塗った後でニスを上塗りすることが推奨されますが、手っ取り早くまとめてニスの効果を取り入れたい場合や、小物類への塗装を予定していれば、ニスの効果をもともと含んでいる商品がぴったりです。
アウトドア向けの家具など屋外で使用する場合、長期間にわたって雨風にさらされ続けたり、炎天下の日照りを受け続けることも。劣化を抑えるコーティングをしておきたく、防腐効果や防カビ効果のあるオイルステインを選ぶようにしましょう。
お子さんやペットがいる家庭では、万が一、口に含んでも安心なオイルステインを。自然由来など独自の安全基準を設けたメーカーから選ぶことをおすすめします。
植物油と植物性ワックスからできた「オスモカラー」のオイルステイン。ドイツ生まれで、化学物質を一切含まない人と自然にやさしい自然塗料です。
木工職人にも愛され続けて40年。ニッペ社のオイルステインは、木目の自然の美しさを生かした鮮やかな着色仕上げが特徴です。
アサヒペン オイルステイン マホガニー 1L
アサヒペン社のオイルステインは、浸透力や着色力にすぐれた透明性の高さがポイント。
オイルフィニッシュに使えるのは「ワトコオイル」。植物油ベースで、木の持つ美しさや味わいをより際立たせるようブレンドされています。
オイルステインについて、理解は深まりましたでしょうか? おすすめの色から、塗り方、商品の選び方、仕上げのコツまで盛りだくさんのご紹介になりました。オイルステインだからこそ叶えられる美しい木目の仕上がりを、ぜひご自宅でも試してみてくださいね。