カランコエとは、カラフルな花が特徴的な多肉植物です。ガーデニング初心者でも育てやすい品種ですが、美しい花を咲かせるためにはコツがいります。この記事では、カランコエを育てたい人に向けて、栽培方法や花を咲かせる方法などについて解説しています。カランコエを栽培する際に役立ててください。
カランコエとは、ピンクや黄色、白などの花が咲く多肉植物です。茎や葉に水分を溜めるため、乾燥に強い特徴をもちます。草丈は、わずか5cm程度のものや、3mの大きさにまで生長する種類もあります。
栽培に手間がかからず、比較的花も咲きやすいため、初心者におすすめです。カランコエの色鮮やかな花色は、室内を明るい雰囲気に変えてくれます。
カランコエには、さまざまな種類があります。なかでも、代表的な種類について解説します。
カランコエ・ブロスフェルディアナは、カランコエを代表する品種です。和名では、「ベニベンケイ」と呼ばれています。わずか1cm程度の大きさの花がたくさん咲き、咲き方は一重咲き、八重咲き、バラ咲きといった種類があります。
カランコエ・ウェンディは代表的なカランコエの品種で、オランダで誕生しました。釣鐘型の花は、赤みのあるピンクの花色で、下向きに咲く特徴があります。花びらの先は緑がかった黄色に染まっており、フリルのように反りかえった形状がユニークです。
カランコエ・プミラは、葉が白い産毛のようなもので覆われている品種です。粉糖がかかっているような見た目から、「白銀の舞(しろがねのまい)」という別名をもっています。茎の先端に、1cmほどの小さい花を咲かせます。
カランコエの開花時期は、10~5月の間です。一般的に、鉢苗は年間を通して市場で出回っていますが、秋から冬にかけて出回っているもののほうが長期間花を楽しめるといわれています。
地域によって異なりますが、植え替えに適している時期は6・8・9月で、肥料を与える時期は5・6・9・10月です。
カランコエを栽培する際に必要なものについて、以下で解説します。
鉢に植えられているカランコエを選べば、手間をかけずに栽培を楽しめます。育苗ポットのカランコエを選ぶ場合は、鉢への植え替えが必要なため鉢も購入しておきましょう。植え替えの具体的な方法は、後ほど解説します。
苗と鉢以外に必要なものは、土、ジョウロ、液体肥料、剪定ばさみです。これらのアイテムは、ホームセンターや園芸ショップで手に入ります。
多肉植物の栽培が初めての場合は、多肉植物専用の土やサボテン専用の土を選ぶと、配合の手間を減らせます。配合土を自分で作る際は、赤玉土(小粒)、腐葉土、ピートモス(酸度調整済み)をそれぞれ、5:3:2の割合で混ぜあわせます。
さらに、リン酸を多く含む緩効性化成肥料を配合土5g/Lの割合で混ぜましょう。
ここでは、カランコエの栽培に適した置き場所や生育温度について解説します。
カランコエは日当たりのよい場所を好む性質であるため、春から秋にかけては雨を避けられる風通しのよい戸外で栽培しましょう。ただし、真夏の直射日光に当てると葉焼けを起こすため、真夏の期間中は明るい日陰に移します。
また、カランコエは寒さに弱い特徴があるため、冬場は室内で育てることをおすすめします。
上述したとおり、カランコエは耐寒性が低い植物であるため、5℃以下の環境下では生長が止まってしまいます。5℃を下回る寒い日は室内に移動させるなど、生育温度に気を配ることが大切です。一般的に、10℃以下の環境下でカランコエを育てると、花つきが悪くなるといわれています。また、気温が氷点下になった場合は、水を与えないようにしましょう。
カランコエを栽培するときのポイントは、水と肥料の与え方にあります。以下でくわしく解説します。
カランコエの水やりの基本は、表土が乾いたことを確認してから、たっぷりの水を与えることです。ただし、水やりの頻度は、季節によって異なります。5~9月の期間中は、表土が乾いてから水を与えましょう。水やりの際は、葉に水をかけると傷みやすくなるため、注意が必要です。
冬場は表土が乾いたら、2~3日空けてから水を与えます。
肥料の与え方は、カランコエの生育期にあわせて変える必要があります。生育期にあたる春・秋には、2週間~1カ月に1度の頻度で肥料を与えます。夏場などの高温が続く時期は、根腐れに注意しなければなりません。肥料を与える場合は、花が咲き始めるタイミングにしましょう。
生長スピードが遅くなる休眠期の冬場は、肥料を与えなくて大丈夫です。
カランコエは短日植物であるため、日照時間が長すぎると花が咲きません。
カランコエの花を咲かせるためには、日照時間が12時間以下になるように注意しましょう。室内で蛍光灯の光が当たる環境下では、花が咲きにくくなるため、暗い部屋に移したりダンボールで覆ったりして暗い場所を作ることが大切です。
カランコエは茎に複数の花を咲かせます。花が咲き終わり、枯れた花が全体の3割程度になったタイミングで、茎の生え際を切り落としましょう。
切り落としの作業を怠ると風通しが悪くなり、日光が当たりづらくなるため、カランコエが枯れる可能性があります。新しいつぼみを傷つけないように切り落とすことで、新しい花の生長を促します。
植え替えとは、植物の生長にあわせて一回りサイズが大きい鉢に植え直すことです。具体的な植え替えの手順について解説します。
頻度は1~2年に1度で、5・6・9月が適しています。頃合いを見て一回り大きな鉢に植え替えます。
剪定とは、茎や枝を切断して風通しをよくする作業のことです。以下のポイントを参考にしましょう。
手を入れずに放置しておくと株が成長して茎や葉が密集してしまい、風通しが悪くなります。花つきも悪くなるため、長すぎる茎は短く切り落としましょう。頻度は1~2年に1度で、植え替えと同時期に剪定します。
剪定方法は、根元10cmを残して切り落とすだけです。1カ月ほど経つと新芽が出てきます。
カランコエは挿し木で増やすことも可能です。挿し木の方法を以下で解説します。
挿し木とは、切り落とした枝や茎を発根させる方法のことで、株を簡単に増やせます。一般的に、挿し芽とも呼ばれています。手順は以下のとおりです。
カランコエの花や葉が枯れたままの状態を放置すると、灰色かび病を発症しやすくなります。また、風通しが悪くなることで、うどんこ病になる可能性があります。さらに、オンシツコナジラミやアブラムシが好んで食べるので注意が必要です。
具体的な対策としては、枯れた花や葉は取り除き、剪定して風通しをよくします。害虫は園芸用殺虫剤で駆除するのがおすすめです。
カランコエには、さまざまな花言葉があります。「幸福を告げる」は、釣鐘型の花が幸せを告げる鐘にちなんだ花言葉です。また、チャペルの鐘がなる挙式のイメージから、「あなたを守る」という花言葉も生まれています。「たくさんの小さな思い出」は、小さな花がたくさん咲くことを思い出に例えています。
ちなみに、英語の花言葉は「popurarity(人気、人望)」です。
カランコエはガーデニング初心者にも育てやすい品種で、ピンクや黄色、白などの小さな花をたくさん咲かせます。ただし、生育温度が低すぎたり日光に当てる時間が長すぎたりすると、花つきが悪くなる場合があるため、上述した育て方のポイントを参考にしてみてください。まずは、栽培に必要なアイテムから揃えましょう。
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