シクラメンは冬の鉢花の代表格として親しまれており、華やかな見た目から人気の高い植物です。シクラメンを栽培してみたいと思っている人も多いでしょう。
この記事では、シクラメンを栽培してみたい人に向けて、シクラメンの特徴や育て方などを解説しています。これからシクラメンを栽培する人は、ぜひ参考にしてください。
シクラメン
学名:Cyclamen
和名、別名:カガリビバナ、ブタノマンジュウ
原産地:地中海沿岸など
シクラメンの花言葉:内気、はにかみ、きおくれ、遠慮など
シクラメンは、サクラソウ科の球根植物です。冬の鉢花の代表格としても有名で、原産地は北アフリカから中近東、ヨーロッパの地中海沿岸地域となっています。
開花時期が10~4月と長く、さまざまな花のサイズや花色があるのもシクラメンの特徴です。
代表的な色としては、ピンクや赤、白や紫などが挙げられます。この他にも、黄色や複色などがあるため、自分好みの花色を選ぶことができます。これまでは香りがない品種が多かったのですが、近年では香りを楽しめる品種も増えています。
シクラメンは、ある程度の耐寒性はあり5℃程度までなら耐えられます。しかし、霜には弱いため、冬場は室内の日当たりのよい場所に置きましょう。ただし、暖房がしっかり効いている室内は花持ちが悪くなるので、玄関先などの涼しい場所が適しています。
霜が直接当たってしまうと、株が傷んだり枯死したりしてしまいます。屋外で栽培している場合には、霜の被害にあわないように軒先や木の下などに移動させておきます。
3月以降は、日中は日当たりのよい屋外に移動させて栽培しましょう。雨が当たるのもよくないため、雨を避けられる場所に置くこともポイントです。
用土については、市販の草花用培養土が栽培に適しています。
シクラメンを育てる際には、しっかりとポイントを押さえる必要があります。
ここでは、シクラメンの「水のやり方」「肥料のやり方」「植え替えのやり方」「花がら摘みのやり方」「夏越えのやり方」について、詳しく解説します。
シクラメンを普通の鉢で育てている場合には、葉がある間は土の表面が乾いてからたっぷりと水を与えましょう。鉢底から水が流れ出るくらい、たっぷりと与えるのがポイントです。また、球根丈夫の中心からは、葉や花芽が出てきますが、この部分が湿ったままだとそこから腐ってしまうことがあるので、球根の周りの鉢土に直接水を与えます。
底面吸水鉢で栽培している場合には、休眠させるケースを除き、受け皿に水がなくならないようにします。底面吸水鉢は、鉢底の皿に水を入れて、水を自然に吸い上げさせる仕組みになっています。
シクラメンは、乾燥気味の土を好みます。そのため、水の与え過ぎには注意が必要です。土の表面が湿っている段階で与えてしまうと、やり過ぎになって根腐れなどのリスクが高まるため注意しましょう。葉が無くなったら水やりは行いません。
シクラメンを育てる際には、生育期に肥料をしっかりと与えることも重要です。生育期に十分に日に当て、肥料をしっかりと与えることで球根が大きくなり、次のシーズンに花をたくさんさ貸せる体力作りをしましょう。
夏の間も葉をつけたままの株は、夏の間は規定量の半分に薄めた液体肥料を2〜4週間に1回程度与えます。9月下旬から翌年の5月までは1週間に1回の頻度で、液体肥料を与えます。化成肥料を与える場合には、2カ月に1回を目安にしましょう。夏の間葉が無かった株は、葉が出はじめたら規定量に薄めた液体肥料を与えます。葉が無い間は、肥料を与えません。
植え替えは9月頃が適しています。夏の間葉が無かった株は、土を乾いた状態にしてから、根鉢を鉢からはずします。根から土を落とし、古い根や傷んだ根を取り除きます。土を落として、球根だけの状態にしましょう。植えつけには市販の草花用培養土や、小粒赤田待つし4、腐葉土4、軽石2などを配合した用土を使います。自分で用土を配合した場合は、緩効性化成肥料をひとつまみ程度混ぜ込んでおきます。鉢はもともと植わっていた鉢か、一回り大きいサイズ(元の鉢よりも直径が3cmほど大きなサイズ)の鉢を使います。
夏の間も葉があった株は、根を傷めないように丁寧に鉢を外し、鉢土の表面の土を軽く落として、一回り大きいサイズの鉢に植えます。落とした分の土を、表面に少し足しておきます。
いずれの場合も、球根の頂部が土に埋まらないように気をつけましょう。球根の上半分程度が土の表面から出ているようなイメージです。
咲き終わった花をそのままにしておくと、カビなどが発生し、株の腐敗の原因となります。また、花が終わった後にタネができてしまうと、株の体力が浪費されてしまい、花数が減ったり、花の大きさが小さくなってしまいます。こうしたことを防ぐために、終わった花を取り除く「花がら摘み」を行うのがおすすめです。
シクラメンは花がらだけを摘んでも、花茎が残って腐敗の原因となるので、つけ根近くを持って、ひねるようにして花茎ごと引き抜きます。はさみで切っても花茎が残ってしまうので、必ずつけ根から引き抜くようにしましょう。咲き終わった花だけでなく、枯れた葉も同時に摘んでおくのもポイントです。
シクラメンの夏越しは、休眠させる方法と、休眠させない方法の2つに分けられます。
休眠させる場合には、4月下旬ごろからじょじょに水やりの間隔を開けていきます。すると葉がどんどん枯れ落ちていきます。全ての葉が枯れ落ちたら、水やりを完全に止めます。枯れた葉は摘み取って、雨が当たらない日陰などで秋まで管理します。梅雨時や夏に雨が吹き込んで土が濡れると、球根が腐ってしまうので、雨が吹き込まない場所に置くようにしましょう。
休眠させない場合には、風通しのよい半日陰の場所で管理します。シクラメンは夏の暑さは苦手なので、できるだけ涼しく直射日光の当たらない場所が適しています。途中で葉の数が急速に減ってしまうケースもあります。葉数が減るのは休眠準備に入った合図ですから、そのまま休眠させてしまったほうがよいでしょう。8月下旬から9月にかけて休眠が終わるため、生育が再開したら水やりも再開させます。
シクラメンの花が咲かない原因として考えられるのは、「日光不足」「温度が高過ぎる」「追肥が不足している」「水の与え過ぎ・与えなさ過ぎ」です。
室内で栽培している場合は、特に日光不足になりやすいため注意しましょう。通年室内で栽培するのであれば、日当たりのよい窓辺で管理するなど、日光が入る場所に置くことがポイントです。花の無い時期は、管理や栽培の時期と割り切って、戸外に出してしまうのもおすすめです。できる限り明るい場所に置き、3月以降は雨が当たらない日当たりのよい場所で管理してもよいでしょう。最低気温が10℃を切るときは、室内に取り込むのを忘れないで下さい。
また、シクラメンは次々と花を咲かせるために、随時適量の肥料が必要です。規定倍率に薄めた液体肥料を週に1回程度欠かさず与えるようにしましょう。
シクラメンを栽培する際に注意してほしいポイントは、「病気」「害虫」「温度管理」の3つです。
以下では、それぞれのポイントについて詳しく解説します。シクラメンを育てる際に役立ててください。
気温が低く多湿の環境が続くと、灰色かび病を起こしやすくなります。灰色かび病とは、花や葉に白もしくは赤の斑点が現れ、進行すると花などが腐って灰色のかびに覆われる病気です。
また、高温多湿の場合には、軟腐病が起こる可能性が高いです。軟腐病になると株が腐って臭いを放つため、注意しましょう。
どちらの病気も、水やりの際に株や葉に水がかからないように注意したり、雨が当たらないように気を付けたりすることが重要です。
また、湿気の多い環境も病気の要因になるため、風通しをよくして予防しましょう。
シクラメンには、アブラムシはハダニといった害虫がつきやすいです。アブラムシがつくと栄養を吸い取ってしまい、生育が悪くなったり花がつきにくくなったりします。また、病気の植物から栄養を吸い取ったアブラムシが、シクラメンにつくと、その病気がうつることもあります。
ハダニは葉の裏にクモの糸のようなものが付着させ、葉がかすれたようになります。これらの害虫は、葉の裏やつぼみなどにつきやすいため、こまめに確認しましょう。
見つけたらすぐに駆除しておきます。アブラムシは市販の殺虫剤、もしくはテープなどで駆除するのが効果的です。ハダニには市販の防ダニ剤を使うとよいでしょう。
シクラメンは、耐暑性・耐寒性に特別優れているというわけではありません。基本的に、寒過ぎず暑過ぎない温度を好むため、適した温度で育てましょう。冬場は日差しの入る窓辺などの室内で育てることがありますが、暖か過ぎる環境もシクラメンは苦手です。生育期に、人が快適だと感じるような温度、18~25℃ぐらいの気温が続くと株が弱っていくため、気を付けましょう。室内で栽培するときは、夏場はクーラー、冬場はストーブやエアコンなどに注意して、一定の温度で育てるようにします。
シクラメンは冬の室内に飾ることが多い花ですが、冬の温かい室内はあまり合った環境ではないことを覚えておいてください。
シクラメンは冬の鉢花の代表花として知られており、華やかな見た目で冬の景色に彩りを与えます。適した環境や水やりの仕方、肥料のやり方などに注意して育てましょう。
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