庭づくりでかかせないのが、庭や自宅のシンボルとなる「シンボルツリー」。新築祝いや子どもの誕生記念など、お祝いごとや人生の記念の際に植えられることが多く、記念樹としての役割の他にも、外からの視線を遮ったり日除けの効果もあります。
ぜひ植えるスペースがあれば育てたいシンボルツリーですが、虫がつかないか心配で悩んでいる方も多いのではないでしょうか。せっかくキレイな植木や花を植えても、虫がついてしまうと、外で洗濯物を干したり、子どもやペットを遊ばせたりするのも不安になってしまうと思います。
加えて害虫駆除の手間もかかって、「植えなければよかった…」と後悔してしまうかもしれません。
そんな事態を避けるために、この記事では虫の少ない木を厳選してご紹介。すでに虫がついてしまった場合の対処法も解説するので、手間をかけずにキレイな庭づくりをしたい方はぜひ参考にしてみてください。
さっそく虫の少ない木を紹介していきます。絶対虫がつかないわけではないですが、定期的にお手入れをすれば虫を寄せつけずに育てることができますので、庭づくりに悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
オリーブは1年中葉が緑のままの常緑樹で、成長も早く花や実も楽しめるため、シンボルツリーとして人気の木です。オリーブの葉や実には、虫が嫌がる「オレウロペイン」という成分が含まれており、虫を寄せつけにくい効果があります。
害虫がつきにくいオリーブですが、「オリーブアナアキゾウムシ」には注意が必要です。もし株元におがくず状の木くずがあったり、樹皮に黒いシミがあれば、オリーブアナアキゾウムシがいる可能性があります。早期発見で被害を最小限に抑えることができるため、発見次第すぐ枝や葉ごと切り取って捨てるようにしましょう。
オリーブの詳しい育て方はこちらをご覧ください。
シマトネリコはとても丈夫で育てやすく、シンボルツリーとして人気がある木です。常緑樹で生長も早く、数年で2階の高さまで生長することも。耐暑性は強いですが耐寒性が弱いため、関東地方より南の地域での栽培がおすすめです。
害虫に耐性もあるシマトネリコですが、「ハダニ」や「カイガラムシ」には注意しましょう。数が少なければガムテープなどで駆除し、数が多ければ殺虫剤を使用します。こちらも早い段階での対処が大切になってくるので、発見次第対処するようにしましょう。
黄色い小さな花をたくさんつけるミモザアカシアも、虫がつきにくくシンボルツリーにおすすめの木です。花が咲いたあと、夏までに剪定すれば次の年もキレイな花を楽しむことができます。剪定の際は、全体的に日光が当たるように、長く伸びた古い枝から切るようにしましょう。
ミモザアカシアも比較的害虫がつきにくい木ではありますが、「イセリアカイガラムシ」や「ミノガ」の発生に注意が必要です。どちらも見つけ次第、増える前に葉や枝ごと剪定してしまうか、殺虫剤を使って駆除するようにしましょう。
ミモザアカシアの詳しい育て方は、こちらの記事を参考にしてください。
キンモクセイは、香りが特徴的で香水やフレグランスなどにも使われています。香りだけでなく花も特徴的で、オレンジ色のかわいい花を枝中にたくさんつけます。成長が早く、垣根やシンボルツリーとして人気です。
キンモクセイも害虫の少ない木ですが、「ハダニ」や「カイガラムシ」の発生には注意しましょう。被害を受けてしまうと、葉が緑から黄色にくすんでしまい、見た目も悪くなってしまいます。発見次第早めに駆除するようにしましょう。
ジンチョウゲは香りの良い花をつける常緑樹の木です。成長は遅いですが丈夫で虫もつきにくく、剪定する必要もないため手間をかけずに育てることができます。水やりや肥料もそこまで神経質になる必要がなく、きちんと日が当たるところに植えれば毎年花を楽しめるでしょう。
ヤマボウシは大きく枝を広げて伸び、葉もよく茂るためシンボルツリーとして人気があります。春には白い花、秋にはよく茂った葉、秋には赤い実が成るため1年中楽しめる木です。ハナミズキとよく似ていますが、ヤマボウシは6〜7月、ハナミズキは4〜5月に開花するため、開花時期で見分けることができます。
ヤマボウシも虫の少ない木ですが、「イラガ」や「アメリカシロヒトリ」には注意が必要です。とくにイラガの幼虫は毒を持っているため、駆除する際は素手ではなく軍手や割り箸などを使うようにしましょう。
ゲッケイジュは常緑樹で成長が早く、芽吹きも良いため生け垣やシンボルツリーとしてもおすすめの木です。乾燥させた葉は香辛料(ローリエ)として料理に使われていたり、自然の防虫剤としても活用することができます。
春頃に細長いかわいい花をつけるトキワマンサクは、生垣やシンボルツリーとしても人気の木です。初心者でも育てやすいですが、どんどん葉が茂っていくため定期的な剪定が必要になります。枝が密集しているところがあれば、全体的に日光が当たるように間引くようにしましょう。
虫の少ないトキワマンサクですが、葉の汁を吸う「カイガラムシ」には注意が必要です。発見次第、殺虫剤を使うか葉や枝ごと剪定して駆除するようにしましょう。
カイヅカイブキは細かい葉がよく茂り、外からの目隠しとしても機能するため、生垣によく使われています。ただ成長スピードがとても早く、個人だと中々管理が難しいため、マンションなど業者に管理してもらえる施設での栽培が向いています。
フェイジョアは実をつける果樹ですが虫がつきにくく、シンボルツリーとして人気のある木です。果実はジャムや果実酒などにすることができ、花も食べることができます。
フェイジョアは比較的虫が少ない木ですが、「アブラムシ」や「ハダニ」には注意が必要です。とくにアブラムシの被害を受けると、葉が真っ黒になってしまい、見栄えも悪くなってしまいます。増える前に普段から異常がないかチェックし、もし見つけたら葉ごと剪定して駆除するようにしましょう。
アベリアは半常緑種ですが耐寒性・耐暑性があり、初心者でも育てやすく生垣として人気が高い木です。開花期も長く、春から秋にかけて白い小さなかわいい花をたくさんつけます。
虫の少ない木ですが、「アブラムシ」や「カイガラムシ」には注意が必要です。もし見つけたら早めに駆除するようにしましょう。また、害虫対策として定期的な剪定がおすすめです。花が少なくなる10〜12月頃と、春〜夏頃に切るようにしましょう。
ここまで虫の少ない木を紹介してきましたが、自然の中で栽培する以上、虫を完全に防ぐことは難しいです。絶対虫がつかなくなるわけではないですが、次のことを意識しておくと害虫被害を減らすことができますので、ぜひ覚えておいてください。
<植える前にできること>
<植えたあとにできること>
多くの害虫は湿気を好むため、定期的に剪定し風通しを良くしておきましょう。また、あらかじめ薬剤を撒くのも効果的です。少し手間はかかりますが、しっかり手入れをすることで、わずらわしい害虫の発生を予防することができます。
すでに虫がついてしまった場合、次の3つの方法で駆除するようにしましょう。
それぞれ見ていきます。
虫の数が少ない場合は、軍手や割り箸などを使って取り除きます。中には毒やトゲを持った幼虫もいますので、素手では絶対に触らないようにしましょう。軍手ごしでもなるべく触りたくない方は、霧吹きやホースの水で勢いよく洗い流すのもおすすめです。
カイガラムシやハダニ、アブラムシなどが大量に発生している場合は、葉や枝ごと切り落としてしまったほうが手っ取り早いです。駆除したあとは薬剤や殺虫剤を撒いて予防しましょう。
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葉や枝をなるべく残したい方は、市販の薬剤や殺虫剤を使って駆除しましょう。市販の薬剤には即効性があるもの、何回も継続して使った上で、ようやく駆除できるものなど、さまざま種類があります。あらかじめ虫の種類を確認してから、ぴったりの薬剤を選び、使用量を守って使いましょう。
いかがでしょうか。ここまで虫の少ない木や、虫が発生するのを防ぐ方法、虫の駆除方法を紹介してきました。虫の少ない木といっても、完全に虫を防ぐことは難しく、定期的に剪定したり、薬剤を撒くなどの対策が必要です。
また、虫が発生したあとは早めの駆除が大切ですので、見つけ次第すぐ取り除くようにしましょう。この記事を参考に、定期的にシンボルツリーや植木・生垣の手入れをして、ガーデニングライフを楽しんでください。
ここまで読んでいただきありがとうございました。