チンチラは、古代から南米チリのアンデス山脈に住んでいた、ネズミの仲間です。アンデス山脈にしかいない生き物で、他のどの動物にも似ていません。
愛くるしい姿と、美しい毛並みが魅力的なチンチラは、げっ歯類としては人間になつきやすいことから、ペットとして人気です。
チンチラの性格や、適した室温・食事・ケージなど、飼い方を詳しく紹介します。
チンチラは頭がよく、好奇心旺盛でいたずら好き。意思表示がはっきりしているので、考えていることがわかりやすいほうです。
警戒心が強く臆病なところがあり、大きな音も好みません。また、ストレスにも強くなく、神経性のショックで死んでしまうこともあります。
普段あまり大きな声で鳴きませんが、嫌なことがあったり、興奮したりすると、「ギーギー」「グーグー」と高い声で鳴くことがあります。仲良くなるためには、徐々に警戒心を
解いていく必要があるでしょう。
チンチラは、涼しくて乾燥したアンデスの高地に生息していたので、高温多湿は好みません。
部屋の温度は20℃~25℃、湿度は30~40%程度の範囲で、できるだけ一定に保ちましょう。また、高温多湿になると、チンチラは耳が充血するので、そうなったら、すぐに室温を下げましょう。
日本は、梅雨から夏にかけて高温多湿になり、エアコンだけでは湿度が十分に下がらないことがあります。そのため、除湿機の導入を検討してもよいでしょう。
チンチラはきれい好きで体臭もありません。チンチラは砂浴びで毛につく油分を除去するため、砂浴びをしていれば、積極的にシャンプーをしなくても大丈夫です。
ただ、チンチラは自分でグルーミングして毛を取り除くため、毛玉を飲み込んでしまうことがあります。そのため、砂浴びをしていない日に、優しくブラッシングをして毛を取り除いてあげてもよいでしょう。
安東さん
経験上、チンチラには日本の気候(高温多湿)が適していないと思っています。そこに砂浴び不足や不衛生などが重なり、毛並みが悪くなることがあると見ています。また、年に数回、換毛もします。汚れや抜け毛を取り除くことによってストレスも軽減できますので、グルーミングは欠かさないほうがよいでしょう。
チンチラの爪は、伸びすぎることはあまりなく、基本的に爪切りの必要はありません。もし、伸びてしまった場合は、軽くやすりでこすってあげるだけで削れます。
チンチラは完全な草食動物です。野生のチンチラは、草の茎や根を食べています。
市販のアルファルファの乾燥牧草や、チモシーの乾燥牧草は、チンチラに必要な栄養素をバランスよく含んでいるので、チンチラの主食にぴったりです。
安東さん
おすすめは、チモシー1番刈りとチモシー2番刈りをブレンドした牧草です。
そのほかに、チンチラに合った栄養価で作られた市販のペレットタイプの餌や、水分の少ない野菜も好みます。果物だとレーズンやクコの実が特に好きです。しつけやコミュニケーションツールとして与えるときは週に3~4回までを目安にしましょう。
チンチラは餌を選り好みします。また、餌を手で持って食べるので、手で持てる大きさの餌にしてあげましょう。
チンチラは元々、湿度の低い高山で、草露や、岩についた水滴から水分を摂っていました。そのため、あまりたくさん水を与える必要はなく、与えすぎると下痢をします。かといって、少なすぎると結石ができてしまいます。
与える水は水道水でOKです。水質に錆が混じるなど、水質がよくない場合は浄水器を通しますが、水が腐りやすくなるのでこまめな交換が必要です。なお、ミネラルウォーターはチンチラにとってカルシウム分が多すぎることがあるのでやめましょう。
チンチラはとても活発です。後ろ脚が強く、垂直に1mもジャンプできます。そのため、ケージは高さを重視して選びます。1匹であれば、ケージの床面積は80x50cm程度でも十分ですが、高さは90cmほどある背の高いものを選びましょう。
チンチラは物をよくかじるので、削れてしまう木製ではなく、金属メッシュのケージがよいでしょう。また、床の網目が大きいと、ジャンプしたときに足が挟まれて怪我をすることが多くなります。網目の小さいものを選ぶか、干し草などを敷き詰めるようにしましょう。
ケージの中は、高さを生かした立体的なレイアウトにしましょう。最低でも2階建てにして、ステージなどで踊り場を作ってあげると、飛び回って運動しやすくなります。チンチラ専用の回し車を設置してあげてもよいでしょう。
チンチラは手先が器用なので、餌や水を散らかします。餌入れは、壁掛け式か、はめ込み式だと比較的きれいに使えます。水入れは、ケージに取り付けられる給水器を使うと床が汚れません。
チンチラは、砂浴びをすることで、皮膚から分泌されて毛につく油分を除去(ラノリン)取り除き、清潔に保っています。浴び砂を用意して、砂浴びできる環境を作りましょう。
砂浴びは、市販されているチンチラ用の砂を使用します。砂浴び用の専用容器もありますが、チンチラが怪我をせず、寝返りを打てるぐらい深いものなら何でも構いません。梅酒瓶や金魚鉢を使う飼い主さんもいます。
安東さん
砂浴びは1回あたり10分程度です。1日に1~2回砂浴びできるとよいでしょう。うんちなどで汚れた砂浴びケースはマメに掃除してください。ケース自体を外しておくのもよいと思います。
チンチラにトイレのしつけをするのは困難です。部屋の中を歩いているときにも、うんちをそこらへんにしてしまいますが、コロコロと乾燥していて臭いもあまりありません。
おしっこをする場所は、チンチラによっては憶えることがあります。ケージの中で同じ場所におしっこをしている場合、そこにトイレを置いてあげると、そこでするようになるケースもあるようです。
安東さん
とはいえ、トイレトレーニングによっては完璧にしつけができる子もいます。簡単ではないでしょうが、良い環境を作ってあげればうまくできるきっけかになるかもしれません。
ケージの掃除は、容器や床材によって違うので、汚れ具合に合わせて行います。
床材は、毎日または数日に1度取り替えます。湿度が高くなる梅雨の時期は、とくにこまめに取り替えましょう。ケージ全体を水洗いして、日に当てるのもおすすめです。
餌入れは、から拭きしてから餌を入れるようにします。野菜など水分を含んだものを入れた後は水洗いして乾燥させましょう。水入れは、分解してヌメリなどをきれいに洗い流してください。ガラスボトルであれば、定期的に熱湯消毒してもよいでしょう。
トイレを設置している場合は、トイレ砂を毎日変えます。数日おきにトイレの容器も水洗いしましょう。
南米チリのアンデス山脈に昔から住んでいて、日本には1960年代にやってきました。今は国際取引が禁止されており、日本でペットとして販売されているのはブリード個体です。ただし、輸入個体もたくさんいます。
体長20cm~35cmほどです。長いしっぽと大きな耳が特徴です。
平均して10~15年といわれています。中には27歳まで生きた子もいたそうです。
ペット用として販売されているチンチラの値段は、3万円~20万円ほど。毛色などによって取引される価格が違います。
チンチラは、スタンダードグレー、シナモン、ホワイト、ブラックエボニー、バイオレットなど、15種類ほどの毛色があります。
スタンダードグレーとシナモンは、比較的安価ですが、ホワイトやバイオレットは高値で取引されます。
安東さん
最近では専門店の間で新たな毛色も出てきています。また、長毛のアンゴラチンチラなどもいます。
カインズのペット用品コーナーでは、犬や猫だけでなく、小動物や鳥、昆虫のためのアイテムも多数取りそろえています。
オンラインショップでは1点からご注文いただけ、近くに店舗がなくてもペット用品を購入できます。また、オンラインショップで購入した商品を店舗で受け取ることも可能です。
他では手に入らない、カインズオリジナル商品やアイデア商品も扱っているので、ぜひ、ご覧ください。
安東さん
なお、ケージ内のオシッコ放置は湿度を上げる原因になります。マメに掃除することが大切です。