梅雨の時期になると現れるきのこ。実は放置すると芝生や花壇に悪影響を及ぼすのはご存知でしょうか。この記事では芝生や花壇にきのこが生えてしまった時の駆除方法や、予防するための対策方法を解説していきます。きのこをどうやって取り除けば良いのか困っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
そもそもきのこは一般的な植物とは違い、菌類の仲間です。風や鳥などがきのこの元になる「菌糸」を運び、気温や湿度、土の水分量の変化など、何らかの刺激やストレスがかかることできのこが発生します。
とくに芝生がある庭だと土が乾きにくく、きのこにとって育ちやすい環境になりやすいです。さらに梅雨の時期は雨が降ってジメジメしやすく、きのこにとってより良い環境になってしまいます。きのこは胞子でどんどん増えるため、気づいたらきのこが大量発生してしまっていた…ということも。現時点できのこが生えていない場合でも、梅雨で雨続きになり土が湿ったままだと、土の中で菌が活発になるため注意が必要です。
ちょこんと生えたきのこは、一見かわいらしく見えるかもしれませんが、そのまま放置すると次のような問題が起こります。
それぞれ詳しく見ていきます。
きのこを放置すると、「土壌の性質が悪化してしまう」という大きな問題があります。前述したようにきのこは「菌糸」をもとに発生します。この菌糸は土の中でどんどん増え、急激に成長していく特徴があります。菌糸が増えると土の養分が吸い取られたり、通気性が悪くなったりと、土壌の性質が悪化し芝生や花が育ちにくくなってしまうんです。土壌が悪化してしまうと、もとに戻すにはかなりの手間がかかります。すでに芝生や花を植えている場合、変色したり枯れてしまうこともあるため、きのこが生えているのを見つけたら早めの駆除が大切です。
きのこは、きのこから落ちた胞子からさらにきのこを増やして繁殖します。そのため少ししか生えていない場合でも、気づいたら大量発生していた…ということが多いです。どんなにきれいな芝生や花壇でも、きのこが大量に生えていては見栄えが悪くなってしまいます。庭全体の景観を守るためにも、早めの駆除が重要です。
ここからは庭に生えたきのこを駆除する方法を解説していきます。まずは次の道具を用意しましょう。
ローンパンチ LP-90
芝生や花壇に生えたきのこは次のような手順で駆除していきましょう。
もし室内の鉢植えにきのこが生えてしまった場合は、次の手順で駆除していきましょう。
もちろん植物や花の種類によってお手入れ方法は異なりますが、なるべく湿気を溜めないように心がけて育てましょう。
ここからは、芝生や花壇に生えたきのこが何の種類なのか知りたい方のために、よく発生しやすいきのこをご紹介します。シバフタケは海外で食用とされている地域もありますが、基本的にはどの種類でも見つけ次第すぐ駆除し、処分するようにしましょう。
種類 | 特徴 |
シバフタケ | ・色:茶 ・大きさ:1〜5cmほど 比較的小さめサイズのきのこで、梅雨〜秋にかけて発生しやすい。まとまって生えることが多い。 |
ヒメホコリタケ | ・色:白 ・大きさ:2〜4cmほど 丸い形が特徴のきのこで、表面にトゲがある。梅雨〜秋にかけて発生しやすい。 |
キコガサタケ | ・色:白 ・大きさ:4〜5cmほど 細長く三角の傘が特徴のきのこで、梅雨〜秋にかけて発生しやすい。 |
ドクベニタケ | ・色:赤 ・大きさ:3〜10cmほど 赤い傘が特徴のきのこで、夏〜秋に発生しやすい。直径10cmほどになることもあり、かなり目立ちやすい。 |
きのこを駆除する際は次のポイントに注意するようにしてください。
対策について次の見出しで詳しく見ていきます。
きのこを適切に駆除できたら、今後再発しないように対策をしていきましょう。
まずはきのこが生えにくい環境に整えることが大切です。主に次のことに気をつけましょう。
きのこは湿った土を好むため、水はけの良い土壌にする必要があります。水たまりができないように砂利を敷いたり、雨樋の下にバケツや桶を置いたりするのがおすすめです。また、水やりはなるべく午前中のうちにすましておくと、昼間のうちに余分な水分が蒸発して湿気が溜まりにくくなります。
芝生がある場合は、定期的にサッチングやエアレーションをして、通気性を良くしましょう。サッチングとは芝生に溜まった枯れ葉や根を取り除くことで、熊手やサッチングマシーンなどで集めます。エアレーションは、芝生の土に穴をあけて空気を入れる作業のことで、ローンパンチやローンスパイク、エアレーターなどを使って行います。どちらもきのこの発生を予防するだけでなく、芝生をキレイに育てるために大切な作業なので、最低でも年に1〜2回は行うようにしましょう。
また、芝生や花壇の近くに木があり、枝や葉が密になっている場合は剪定して日当たりをよくするのもおすすめです。剪定する際は、下向きに切り落として、剪定した箇所に雨水が溜まらないようにするのがポイント。枯れ木はきのこが育ちやすいため、もし病気になっていたり枯れている枝があれば、すぐ切り落としてください。
もしすでにきのこが生えていて、菌輪ができていたら必ず掘り出して駆除するようにしましょう。菌輪とはきのこが輪になって生えていることで、比較的簡単に見つけやすいですが、芝生や花に隠れて見えないことがあります。菌輪はフェアリーリング病とも言い、輪に沿って芝生が枯れてしまうことがあるため、これ以上被害を広げないためにも、早めの対策が必要です。
スコップを使ってきのこのまわりの土を掘り出し、菌糸がどれだけ広がっているか確認します。狭い範囲であればエアレーションをするだけで大丈夫ですが、広範囲に広がっている場合は、土をすべて掘り出して取り除く必要があります。この際、きのこと掘り出した土は必ずビニール袋に入れて密閉し、適切な方法で処分するようにしてください。合わせて、きのこの発生原因になりそうな枯れ木や腐った木、その他腐敗物などがあれば一緒に処分します。菌輪が駆除できたら、穴に新しい土と肥料を混ぜ込んで入れましょう。
いかがでしょうか。ここまできのこが発生する原因や、放置することの危険性、駆除の方法などを解説してきました。きのこを見つけたら、広がる前になるべく早めに駆除するようにしましょう。また、定期的に土壌をチェックし、エアレーションやサッチングをしてきのこが生えにくい環境を作ることが大切です。庭にきのこが生えて困っている方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
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