ツツジの基本情報

ツツジはツツジ科ツツジ属の植物の総称

ツツジはツツジ科ツツジ属の植物の総称で4〜6月ごろに花を咲かせます。交通量が多い道路の路側帯や中央分離帯、公園などの大規模な植栽にもよく用いられることからもわかるように、排気ガスが多い場所などでもよく育ち、ざっくりとした刈り込みをしてもよく花が咲く植物です。

よく似た花を咲かせるサツキも同じくツツジ科ツツジ属の花で、多くのツツジが咲く4月に遅れて5月=皐月(さつき)に花を咲かせることからこの名前で呼ばれます。

ツツジ属は学名で言うとロードデンドロンRhododendronですが、日本で「ロードデンドロン」というとシャクナゲのことを指すことが多いです。また、「ツツジ」という名前がつきながらも、ドウダンツツジは分類上は違う属に含まれていたりします。

もっと言えば、皆さんご存じのブルーベリーもツツジ科だったり。知らないようでいて目にしていることも多いかもしれないツツジの仲間ですが、ここではこんもりとした樹形に春から初夏に花を咲かせるツツジを中心に、育て方をご紹介します。

一般的なサツキもほぼ同じ手入れで育てることができ、花を楽しむことができますよ。

ツツジ、サツキの育て方の基本

たくましく咲くツツジ

ツツジは丈夫な花ですが、育て方の基本をしっかり押さえておけばよりたくさんの花を育てることができます。

ツツジ、サツキの植え場所、置き場所

薄ピンクのツツジ

一般に流通するツツジ、サツキは、庭植えであれば終日直射日光が当たる場所でよく育ちます。

鉢植えも水切れさえしなければ同様の場所でよく育ちますが、夏などは水を含んだ土の量が限られているので、どうしても水切れで葉が枯れたりしてしまうことも。鉢植えの場合は、午後からはちょっと日ざしを遮られるような場所の方がよいでしょう。

サツキ、ツツジの水やり

白いツツジ

ツツジやサツキは常に湿潤な土を好むので、水切れさせないように水やりをします。一般的に庭植えにした樹木はいったん根づいたら水やりは不要ですが、ツツジやサツキは根が土の浅いところにしか張らず、根が細くて乾燥に弱いので、高温期に雨が少ないようであれば水やりをしましょう。

鉢植えは鉢土が乾いてきたら水やりをします。初夏以降の気温が高くなる時期は朝に水やりをしても日当たりがよい場所に置いておくと、昼過ぎには土が乾いてしまうことも。

鉢植えは幸い場所の移動ができますから、土が乾きやすいようであれば昼以降は日が当たらない明るい場所に移動させるなどするとよいでしょう。

ツツジ、サツキの肥料

赤色のツツジ

あまりこまめな手入れをされない道路沿いの路側帯などでも花が咲くこともわかるように、地植えであれば毎年肥料を与えなくても花を咲かせてくれるのがツツジ、サツキのよいところ。

地植えに肥料を与えるのであれば、1〜2月中旬に緩効性化成肥料(ゆっくり効く粒状肥料)か油かすを株元に与えましょう。株元の枝が伸びている範囲の地面を深さ10cmくらいまで軽く耕し、土に肥料をすき込むとなおよいですが、そこまでしなくても咲いてくれます。

鉢植えは1〜2月中旬に緩効性化成肥料か油かすを規定量与え、花が終わったら同じ肥料を規定量の半分与えます。9月下旬にも同様の肥料を規定量与えます。

ツツジ、サツキの剪定の基本

ツツジの花芽

ツツジ、サツキは夏以降に伸びた枝に、翌年咲く花芽ができます。花芽ができた後に剪定してしまうと翌年花が咲かないので、剪定をするのであれば基本的に夏前に済ませておきましょう。

丁寧に剪定するのであれば、葉と葉の間が間延びした細い枝をつけ根で切り、古い枝をやはりつけ根で切ります。そこまで細かくやらず、電動のトリマーや刈り込みバサミで刈り込むのでもかまいません。

翌年も花を咲かせたいのであればあまり強く刈り込まない方がいいのですが、大きくなりすぎたツツジ、サツキをリセットしたいのであれば、太い枝のところまで刈り込んでも大丈夫です。

困りもの!? な大きくなりすぎたツツジ、サツキを小さくまとめるには?

雨で濡れているツツジ

親の代から庭に植えられているツツジやサツキが大きくなりすぎて困っている…。こんなご家庭も多いはず。

ツツジ類は一般的にトリマーや刈り込みバサミで刈り込んで整枝しますが、刈り込みが弱いと刈り込んで小さくした分よりも枝が伸び、年々樹冠が大きくなってしまいます。なので、刈り込む際には枝の伸びる分を見込んで強めに刈り込むことが重要です。

直径7〜8㎜程度の枝のところまで刈り込み、太い枝は剪定バサミで切ります。こうすることで樹冠の奥の方から新しい枝が伸びてくるので、古い枝は順次切り戻して新しい枝に切り替えることで樹冠をコンパクトにすることができます。

また、ただ強く刈り込むだけだと強く伸びる徒長枝が発生してしまいます。強い刈り込みと剪定をした時は、株元半径50cmの範囲を、深さ10cmほどよく耕しましょう。こうすることで適度に根が切れ、剪定で減った地上部と地下の根の量のバランスが取れ、よりコンパクトに育てることができます。

ツツジ、サツキの増やし方(挿し木)

薄ピンクと濃いピンクのツツジ

ツツジやサツキを増やす時は挿し木をして殖やします。5〜6月に枝を10cmほど切り、湿らせた挿し木用土に挿し、強い風や直射日光に当たらない場所で管理しましょう。土が乾かないように管理していると、秋頃には新しい枝が伸びてきます。

翌年の春に3号ポリポットに植え替え、鉢底から根が見えるくらいまで育ったら、大きな鉢や庭に植えつけることができます。

ツツジ、サツキの病害虫

紫色のツツジ

あまり重大な病害虫は発生しませんが、ハダニやツツジグンバイムシの食害を受けることが。いずれも適用のある薬剤を使うことで防除できますが、乾燥しやすい時期に発生することが多いので、週に1回ほど株全体に水をかけるなどすると発生しにくくなります。

まとめ

ツツジの花びらに蝶がとまる

ツツジ、サツキは大きな道路沿いなどにも植えられるほど丈夫でよく育つ植物です。

一般家庭の庭で育てていると大きくなりすぎることがありますが、花後にしっかり刈り込むことで、コンパクトに楽しむことができます。ガーデニング初心者にも育てやすい植物なので、皆さんもぜひ育てて見てください!

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