知的で心を落ち着かせてくれる雰囲気を持つ青色は、花の色としても人気です。庭やベランダに青い花を植えると、華やかさがありながらも涼しげな空間を演出できるでしょう。また、青い花は誠実さや信頼感といったイメージも与えるため、贈り物にするのもおすすめです。
そこで今回は、青い花(※)にはどのような種類があるのか、生花店などで購入でき、贈り物として人気の品種を10種類、ガーデニング向けの品種を10種類、合わせて20種類をご紹介します。それぞれの特徴や花言葉を見ていきましょう。
また、プレゼントする際などに知っておきたい、青い花と組み合わせるのにおすすめの花の色についても併せてご説明します。
※実際には人工的に作られたもの以外は厳密に青い花は少なく、「青紫」と表記されることが多いです。
青い花は種類も多く、生花店やホームセンターでも人気です。まずは、生花店などで購入できる青い花をご紹介します。花束やフラワーアレンジメントにも青い花は人気なため、プレゼントにしても喜ばれるでしょう。
赤色をはじめ白や黄色、オレンジなど、さまざまな色の品種があるバラですが、近年の品種改良によって、青色のバラも登場しました。日本では「アプローズ」という青いバラの品種があり、贈り物としても人気です。
アプローズは紫がかった青い色が特徴的で、飲料メーカーであるサントリーホールディングス株式会社の花部門が独立したサントリーフラワーズ株式会社がオーストラリアの企業と共同で開発したバラです 。ほかにも、生花店などでは特殊な染料で染めている、鮮やかな青いバラ も販売されています。
バラならではの華やかさと、青色の知的さや品の良さを兼ね備えた青いバラは、大切な人にプレゼントすると喜ばれるでしょう。
青いバラの花言葉は「奇跡」「夢叶う」です。
キク科シムフィヨトリクム属のユウゼンギクは、漢字では「友禅菊」と書きます。原産地は北アメリカですが、日本国内にも自生しており、小さな青紫の花を咲かせます。
ユウゼンギクは「若者に負けぬ元気」「老いても元気で」「深い愛」「恋の思い出」などの花言葉を持ちます。敬老の日や定年祝いなど、年配の方への贈り物としてもおすすめです。
「後知恵」という花言葉もあります。秋に他の花が咲き終わった後に咲くことに由来します。
ニゲラはキンポウゲ科の花で、日本名では「クロタネソウ」とも呼ばれています。これは、ブラックシードと呼ばれる黒い種を持つためです。薄い花びらと涼しげな青色が目を惹きます。通年で見られますが、特に5~6月に多く流通します。
ニゲラの花言葉は「戸惑い」「夢で逢えたら」「ひそやかな喜び」です。
アガパンサスは南アフリカ原産の多年草で、細長い茎に小ぶりな青い花をたくさん咲かせます。かわいらしい見た目ゆえに、切り花やフラワーアレンジメントにもよく使われる花です。
また、アガパンサスは丈夫で育てやすい点も魅力です。品があり洗練されたイメージを持つため、性別を問わず贈り物にもおすすめです。
アガパンサスの花言葉は「恋(愛)の訪れ」です。
母の日の贈り物として有名なカーネーションは赤やピンク色が主流ですが、青色もおすすめです。青いバラであるアプローズ同様に青いカーネーションもサントリーフラワーズ株式会社とオーストラリアの企業で共同開発され、「ムーンダスト」 と名づけられました。
青い花は白い花との相性が良いため、白いカーネーションと組み合わせてプレゼントしても喜ばれるでしょう。
青色のカーネーションは「永遠の幸福」という花言葉を持ちます。
日本をはじめとした東アジア原産のキキョウは、国内では自生するものがほとんど見られなくなり、絶滅危惧種となってしまっています。
青紫色のキキョウの花は、和風のフラワーアレンジメントや生け花によく用いられます。また、鉢植えで育てても凛とした雰囲気があり素敵です。
キキョウの花言葉は「永遠の愛」「変わらぬ愛」「誠実」「気品」です。花言葉・見た目ともに、年齢や性別を問わずプレゼントにおすすめの花といえるでしょう。
ブルースターはヨーロッパでは「幸せを呼ぶ花」と呼ばれています。小ぶりな5枚の花びらが青い星のように見えるため、この名前がつけられました。実はブルースターは、オキシペタルムの品種のひとつです。
ブルースターの鮮やかな花の色はベビーブルーとも呼ばれており、男の子の出産祝いのプレゼントとしても人気です。また、耐暑性に優れるため、ガーデニングにも適しています。
ブルースターの花言葉には「信じ合う心」「幸福な愛」「星の精」などがあります。
アヤメ科アヤメ属のアイリスは、日本のアヤメやカキツバタ、ショウブなどの仲間です。青紫色の花と花びらが大きく開いた形状が特徴的で、切り花はもちろん球根でも購入できます。
ポジティブな花言葉を持つアイリスは、送迎会や入学・卒業祝いなどのさまざまなシーンでの贈り物に向いています。
青いアイリスには「強い希望」「吉報」「信念」など、ポジティブな花言葉が多くあります。
リンドウは日本原産の花で、和の雰囲気を持つ美しい青紫色の花は、古くから多くの人に親しまれてきました。和風のフラワーアレンジメントや、生け花にもよく用いられています。
9~11月にかけて咲く花のため、夏の終わり頃に飾ることで秋の訪れを感じられるでしょう。リンドウの花言葉と、その情緒的な姿が魅力なことから、年配の方への贈り物としても人気です。
リンドウは「正義」「悲しんでいるあなたを愛する」という花言葉を持っています。
ヒヤシンスは冬の終わりから春にかけて咲く花として有名で、「フレグランスフラワー」と呼ばれるほどに良い香りがします。また、茎が短いためブーケに向いています。
ヒヤシンスは花の色ごとにさまざまな花言葉があり、青いヒヤシンスは「変わらぬ愛」という花言葉を持ちます。
続いて、園芸におすすめの青い花を見ていきましょう。庭やベランダで育てられる青い花には、どのような品種があるのでしょうか。
ミオソティス・ミオマルクは、ワスレナグサの一種です。ワスレナグサは春早くから咲いて、庭や寄せ植えを美しく彩ってくれる青い花です。
ミオソティス・ミオマルクは、ワスレナグサの種類の中でも花のサイズが大きめで、淡い水色と丸みのあるかわいらしい花びらが特徴的です。ガーリーな雰囲気を持つため、花壇や寄せ植えを一際おしゃれに演出してくれます。
ミオソティス・ミオマルクには単独の花言葉はありませんが、近縁種のワスレナグサの花言葉は「私を忘れないで」「真実の愛」です。
薄紫色に近い青色の花を咲かせるカンパニュラ・メリーベルは、一般的なカンパニュラよりも丈夫なため、園芸初心者の方にもおすすめです。一度植えると毎年開花する宿根草のため、直射日光のあたらない風通しの良い場所で育てることで、何年も楽しめます。
カンパニュラ・メリーベルに単独の花言葉はありませんが、一般的なカンパニュラには「誠実」「感謝」という花言葉があります。そのため、贈り物としても喜ばれます。
淡い青紫色と白のかわいらしいストライプ模様がスーパーベナ・アイストゥインクルの特徴です。白の模様が入ることで爽やかさが際立っており、春から晩秋にかけての花壇をおしゃれに演出してくれます。
スーパーベナ・アイストゥインクルはバーベナの一種です。バーベナに比べて一つひとつの花のサイズが大きい種類がスーパーベナで、アイストゥインクル以外にもさまざまな種類があります。
一般的に、バーベナは雨や暑さに弱いため育てるのも手間がかかりますが、スーパーベナは比較的丈夫で、梅雨や夏場でも開花します。
スーパーベナ・アイストゥインクルの花言葉は「私のために祈ってください」「家族の和合」です。
アメリカンブルーはヒルガオ科の半耐寒性多年草で、5~10月に花を咲かせます。その名のとおり、涼しげな青色の花を咲かせるアメリカンブルーは、夏のガーデニングにぴったりです。
たくさんの茎が地を這うようにして四方に広がるため、吊り鉢から垂れ下げたり、脚付きのコンテナに植えたりするのもおすすめです。
アメリカンブルーの花言葉は「あふれる思い」「清潔」「清涼感」「ふたりの絆」です。
濃い青色のアジサイは、日本でも多くの家庭で育てられている美しい花です。梅雨時に見頃を迎えてから、秋まで何度も花が咲きます。
なお、アジサイの花は土壌が酸性だと青色に、アルカリ性だとピンク色になります。そのため、植える場所によって色の違いを楽しめるのもアジサイの魅力です。
青いアジサイの花言葉は「冷淡」「無情」「辛抱強い愛情」です。
セイヨウニンジンボク・ブルーディドレは、丸みを帯びた樹形に育つセイヨウニンジンボクです。夏になると、ラベンダーブルーの美しい花が咲きます。
セイヨウニンジンボク・ブルーディドレは、一般的なセイヨウニンジンボクと比べてコンパクトに育つため、ガーデニングではほかの花と組み合わせて育てると華やかになります。
セイヨウニンジンボク・ブルーディドレには単独の花言葉はありませんが、一般的なニンジンボクには「純愛」「才能」の花言葉があります。
澄んだ青色の小さな花がたくさん咲く景色で有名なのがネモフィラです。地面の広範囲に生い茂り、春から初夏にかけて青い花を咲かせます。ガーデニングにおいては、花壇周辺の広範囲に群植させる方法がおすすめです。
なお、ネモフィラは乾燥ぎみのやせ地でよく育つため、水分や栄養の与えすぎには注意しましょう。
ネモフィラの花言葉は「どこでも成功する」「可憐」「あなたを許す」です。
アヤメ科アヤメ属のカキツバタは、水辺に咲く青い花として有名です。原産地は日本や朝鮮半島、東シベリアなどで、日本では平安時代から親しまれてきました。
衣服を染めるための染料として利用されていたという記録が残っています。カキツバタの優雅な姿は愛好家も多く、園芸好きのあいだでも人気があります。
カキツバタの花言葉は「幸福が来る」「幸せはあなたのもの」「高貴」「思慕」「贈り物」などで、いずれもポジティブな意味合いを持つため、贈り物としてもおすすめです。
青紫色の細かい粒上の花を穂のようにつけるムスカリは、さまざまな花との組み合わせに向いています。
草丈が10〜20cm程度とコンパクトで、丈夫で育てやすい点も魅力です。春のガーデニングにおいては、同じ球根植物であるチューリップとの寄せ植えにぴったりです。ムスカリの花言葉には、ネガティブな意味合いの言葉も含まれるため、園芸用として楽しむことをおすすめします。
ムスカリの花言葉には「夢にかける思い」「失望」「失意」「明るい未来」と、ポジティブな言葉もネガティブな言葉もあります。
ブルーデージーはキク科フィリシア属の多年草で、黄色の雄花の周囲に鮮やかな青い花びらがついています。耐寒性に優れる一方で暑さに弱いため、育てる場合はいかに夏越しさせるかが重要です。
高温多湿の環境を避けて夏越しに成功できれば、春から初夏だけでなく秋にも花が咲くため、長く楽しめるでしょう。子供らしい無邪気さや多幸感を感じさせてくれる花です。
ブルーデージーの花言葉は「純粋」「幸福」「恵まれている」「かわいいあなた」などがあります。
青い花を飾ったりプレゼントしたりするにあたり、ほかの花と組み合わせたいという方も多いのではないでしょうか。そこで、青い花の美しさを引き立たせてくれるのはどのような色の花なのかご紹介します。
鮮やかな色を引き立たせてくれる白い花は、青い花との相性もぴったりです。青も白もマリンカラーでもあるため、より涼しげで爽やかなブーケやフラワーアレンジメントを作ることができます。
また、青い花の包み紙やリボンを白色にするのもおすすめです。
青い花は、グリーンやイエロー系の花とも相性が良いです。花の色同士のコントラストがそれほど高くないため、目に優しい穏やかな雰囲気の花束やフラワーアレンジメントが出来上がります。
寄せ植えや花壇に青い花と合わせて植える場合も、カラーバランスのとれた美しい見映えになるでしょう。
紫色やピンク系の花と青い花を組み合わせると、大人っぽい雰囲気が魅力の色合いを楽しめます。
ポイントは、組み合わせる花の色の濃さを統一させることです。例えば、濃い青色の花であれば、鮮やかなピンク色の花と組み合わせます。反対に淡い水色の花には、ラベンダー色やパステルピンクの花がおすすめです。花の色の濃さをまとめることで統一感が出て、より洗練された雰囲気のブーケや花壇になります。
青い花に差し色を加えたいときは、青の補色であるオレンジ色の花がおすすめです。青とオレンジの正反対の色の組み合わせは、鮮やかなコントラストが目を惹きます。青い花の包み紙やリボン、植木鉢などをオレンジ系にしても、おしゃれな色合いを楽しめます。
青い花は、同系色でまとめるだけでも十分におしゃれなブーケや花壇にすることが可能です。一面に咲いたラベンダー畑やネモフィラ畑の景色などを見て、美しいと感じたことのある方も多いのではないでしょうか。同じ色の花で埋めつくされた空間は、統一感のある雰囲気が魅力です。
青一色のフラワーアレンジメントや花壇は、見る人の心をリラックスさせてくれます。
洗練された雰囲気を持ち、知性や誠実さも感じさせてくれる青い花は、性別や年齢を問わずプレゼントに向いている品種が多くあります。青一色でブーケを作っても、白色や補色を使って青い花の美しさを引き立たせても、それぞれ異なる魅力を感じられるでしょう。
花選びに悩んだときは、ぜひ、さまざまなシーンや贈り先に対応できる青い花を検討してみてください。